へっぽこ店主の日々雑記

映画パンフレット専門のオンライン古本屋「古本道楽堂」店主のへっぽこ雑記。

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「ザ・レイド GOKUDO」

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東京国際映画祭で見てきた。
上映前の舞台挨拶には、監督、主演のイコ・ウワイス、松田龍平、遠藤憲一、北村一輝が登壇。
監督はイギリス人なんだけど、子どもの頃から日本のヤクザ映画が好きで見ていたらしく(オタク笑)今回のキャスティングにもその影響があると。
そして遠藤憲一が「今回初めてヤクザ役を演じました」と渾身のギャグ(?)を放つと場内爆笑。
みなさん、わかってらっしゃる。
松田龍平はマイペース。
のんびりぼそぼそ喋り出すと、たちまちまわりは龍平ワールドに。
北村一輝は「キラーズ」でインドネシア映画を体験しているから、
日本の撮影現場との違いを語る。
インドネシアはNGも何のそので何度でもガンガン撮るし、
いいと思ったらどんどんその場で取り入れると。熱かったです。

で、「ザ・レイドGOKUDO」。

前作よりストイックさはなくなったものの、
より激しく、よりスタイリッシュ。

私が気に入ったのは殺し屋の2人。
金属バットを面倒くさそうにガランガラン引きずってくる男と、
地下鉄内でハンマーを取り出して振り回す女。
この2人の躊躇のなさがいい。
人を殺すのに場所とか動機とかどうでもいいのね。
言われたから殺す、それだけ。
その空虚な暴力性にしびれました。

↓殺し屋さん
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あと今回すごかったのがカーアクション。
カーチェイスや車同士のぶつかり合い、爆発もすごいんだけど、
それ以前に車内ですでにボッコボコ。
狭い車の中で殴り合い、蹴り合いで、
誰の手なのか足なのかわからない、
そんな状態のまま車ごと突っ込んでいく。
見ごたえありました。

日本人キャストはアクションシーンなし。
「今回僕はアクションはなかったんですけど」と松田龍平は言っていたけど、
この映画のファン層をよくわかってるよね。
みんな気になってるのはそこです(笑)。

いかにも続きがありそうなラストだったから、
もし3作目があれば日本人キャストも是非アクションを!
(監督の話だと次回作の企画はすでにあるそうです)

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[ 2014/10/24 20:58 ] 香港・アジア映画 | TB(0) | CM(0)

「ジャージー・ボーイズ」





「君の瞳に恋してる」で有名なコーラスグループ、フォー・シーズンズを描いたクリント・イーストウッド監督作品。
クリストファー・ウォーケンが「『君の瞳に恋してる』は『ディア・ハンター』で効果的に使われていたし」と言っているインタビューを読んで、これは見なければと。
イーストウッド映画にウォーケンが出るのは初めてというのも興味があったし。

のっけから床屋のシーン。
髭を剃ろうとしているウォーケンが何やら口ずさんでいて、
床屋のドアを若者がバーンっと開けて入ってくる。
もうこれは西部劇で酒場にチンピラ登場のシーンか、
もしくはギャング映画でボスが床屋でくつろぐ、おなじみのシーン。
これだけでニヤニヤしてしまう。

脇役ではあるけれど、ウォーケンの役がとにかくかっこいい。
町の大物で、マフィアと対等に交渉できたりして、
主人公たちが背負った借金やトラブルにも力になってくれたりする。
こういうヤクザの親分みたいな人がバックに付いてくれたら、
怖いけど、どんなに頼もしいだろうと思いました(笑)。

あと、この映画で面白いと思ったのは、
主人公たちがカメラに向かって状況を説明してくれること。
こういう伝記映画みたいなのって、
最初に現在のシーンがあって、その後で回想シーンとか、
もしくは主人公のモノローグで進めるとか、
そういう語られ方が多いと思うんだけど、
これは物語の中で登場人物たちが直接解説しちゃう。
あるようでない、ユニークな語り口だと思う。

そのせいか、映画全体が音楽を聴いているような心地よさ。
フラッシュバックを使わず、時間が行ったり来たりしないから、
物語の流れがぶった切られることもなく、とてもスムーズ。
音楽映画だから楽曲もたくさん挿入されるんだけど、
ドラマ部分も含めて音楽みたい。
見ていてとても爽快。
イーストウッドってこんなにさわやかな映画を撮る人だったっけ?と見ている最中に何度も思ったほど(笑)。
途中TV画面に「ローハイド」で若き日の自分を映すお茶目っぷりにも笑った。

最後はウォーケンが踊っているのを確認できて大満足。
ウォーケン映画にまたダンスシーンが増えました。

[ 2014/10/23 23:55 ] 音楽映画 | TB(0) | CM(0)

「悪童日記」

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発売当時に原作小説は読んでるんだけど、まあ細かいところは忘れてるよね(笑)。
でも鮮烈な印象は残ってる。

で、映画版「悪童日記」。

とにかく、ぐいぐい引き込む物語のチカラに圧倒される。
次から次へ襲い掛かる過酷な状況から目が離せない。
瞬きできない。
あっという間に喉カラカラ。

原作にはかなり忠実なんじゃないかな。
イメージを壊さず、残酷なシーンほど淡々と。
ロベール・ブレッソンの映画ほどストイックではないけれど、
ミヒャエル・ハネケぽい冷徹な画面。
と思って後からスタッフ紹介を読んだら、ハネケ映画をたくさん撮ってる撮影監督だった。
画面に個性ってこんなに出るんだなあと感心した。

主役の双子(オーディションで半年かかって選んだらしい)の魅力はもちろんだけど、
私がひときわ気になったのは、祖母役の女優さん。
魔女と呼ばれている怖くて変わり者のおばあさん。
ゴロリと転んだらひとりで起き上がれないような恰幅のよさと、
ギョロリとした恐ろしい目つきが一度見たら忘れられない。

最初は恐ろしい老婆だけど、
親に捨てられた双子との絆が少しずつ強くなっていくのがいい。
この3人の連帯意識のようなものにはすごく共感できた。

それから、双子が困難に負けないために、
2人だけで様々な鍛錬を試みる様子にも共感。
痛みに慣れるためお互いをベルトで叩いたり、
残酷なことに慣れるため鶏を殺してみたり、
飢えに慣れるため絶食したり。

それでも双子にとって一番つらいのは、
痛みでも殺しでも飢えでもない。

だからラストは本当につらかった。
身を切られるようなつらさとはこのこと。
せっかく原作は三分作あるんだから、同じ双子で続きが見たい。
このままじゃ、つらすぎる。

[ 2014/10/14 22:07 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

ジャン=ピエール・レオー舞台挨拶@フランソワ・トリュフォー映画祭

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フランソワ・トリュフォー映画祭
「二十歳の恋/アントワーヌとコレット」
「夜霧の恋人たち」



角川シネマ有楽町でトリュフォー映画祭の初日。
上映前にジャン=ピエール・レオーの舞台挨拶があるというので行ってきた。

ジャン=ピエール・レオーといえばアントワーヌ・ドワネル。
アントワーヌ・ドワネルといえばジャン=ピエール・レオー。

ドワネルシリーズだけでなく、トリュフォー映画、広くは仏ヌーヴェルヴァーグ全体のシンボルともいえる俳優。

そんな彼の舞台挨拶。
わくわくしないわけがない。

客席を通って入場するレオーに会場からは割れんばかりの拍手が。
歓迎ムードのあたたかさに早くも涙腺が緩む。

「大人は判ってくれない」から「逃げ去る恋」まで5作に渡りアントワーヌを演じてきたレオーも70歳。
年はとってもマイペースな受け答えや茶目っ気のある仕草はアントワーヌそのもの。

レオーによるとドワネルシリーズではロケハンからリハーサルまでトリュフォーと2人きりでこなしたとのこと。
そこに幽霊のようにスタッフや役者たちが加わっていき、自然と1テイク目を撮る。
そして7テイク目で必ず終わると。

さらに、トリュフォーのような撮り方をする監督はひとりもいない。
様々な監督と仕事をしたけれど、あれほど居心地のいい現場はその後も見つけられなかったと言っていた。

上映前からもう胸がいっぱい。
ジャン=ピエール・レオーを日本へ呼んでくれた配給会社さんに感謝。

[ 2014/10/11 23:00 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「舟を編む」





辞書を作る──このテーマだけですでに心惹かれるし面白い。
原作小説は読んでないけどアイデアの勝利だよね。

舞台は出版社のお荷物的存在である辞書編集部。
辞書にすべてを捧げてきたような編集者(小林薫)が退職するにあたり、
後任を探すことに。

そこで白羽の矢が立ったのがうだつの上がらない営業社員(松田龍平)。
この男、昔の文豪が住んでるような古びた下宿をひとりで借りて、廊下にまで蔵書があふれでているほどの本好き、しかもいつも辞書を持ち歩いている。
これは適任。
営業をさせてる場合じゃない。
まさに辞書作りが天職だと思わせる。

基準として「右」の語釈でその辞書の個性を表すのが面白い。
他社の辞書ではこう書いてあるとか、
じゃあうちはどう書こうかとか。
たかが「右」、されど「右」。
単語を説明する難しさ、奥深さに引き込まれる。

蛇足だが、私の高校の友達にも辞書を持ち歩いている子がいた。
で、いつも3種類の辞書を引いては語釈の違いを面白がっていた。
それまで辞書なんてどれも同じと思っていた私は驚いたものだ。
(ちなみに私は辞書に線引きしたり、ページをめくる行為自体が好きな、どちらかといえば辞書フェチ、というか本フェチ笑)

で、この映画、登場人物もなかなかいい。
特に主人公(松田龍平)の先輩であるオダギリジョー。
ちょっとチャラくて社交的で、地味な辞書編集部には馴染まないような、いかにも出版社の広報という感じの男。
しかも超いい奴。チャラいけど。
こういう人がひとりいると、電話対応や交渉事が苦手な研究者肌な編集者(松田)は本当に助かると思う。
あとオダジョーの彼女役の池脇千鶴も気さくでチャーミング。

辞書がようやく出版にたどり着いたときには、わかっていたけど、じーんときた。
地道に物を作るっていいな、紙媒体って本っていいなと思える映画。
本フェチ必見(笑)。

[ 2014/10/10 23:52 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「卵」「ミルク」「蜂蜜」





主人公ユスフを描いたトルコ映画の三部作。

大人になった「卵」、
青年期の「ミルク」、
幼年期を描いた「蜂蜜」。

徐々に過去にさかのぼっていくのが本シリーズの特徴。
まず単純に映画で描かれる生活や町並みの変わっていく様子が面白い。

大人のユスフは実家を出て古本屋を営み、車に乗って帰省する。
青年ユスフは雑誌に詩を投稿しながら家の手伝いでミルクを売りにバイクで運ぶ。
子どものユスフは学校でも本をなかなか上手く読めない内気な少年。

ユスフが出版した詩集のタイトルが「蜂蜜」。
そのタイトルは父親が養蜂をしていたことから。
こういった主人公に関する小さなことがシリーズを重ねるごとに少しずつわかってくる。
どんな人の人生でも思春期や幼年期を覗くのは胸がつまるものだけど、
「ミルク」「蜂蜜」と辿るにつれて心臓をギュッと掴まれるような何ともいえない気持ちになった。

で、このシリーズ、BGMがない。
鳥や山や緑などの自然音のみ。
俳優たちの演技も淡々としていて、すべてが淡々としているだけに辛い出来事は余計に辛く感じられた。
とはいえ、決して暗くて悲しい映画ではない。
登場人物たちの生活の営みが丁寧に描写されていて見入ってしまうし、何より自然な映像が美しい。

あと別に製作年順に見る必要はなくて、どれから見ても物語はわかるんじゃないかな。
時間がない人は3作目の「蜂蜜」のみでもシリーズのよさや雰囲気は十分に伝わると思う。

ひさしぶりに映画をじっくりと堪能しました。

[ 2014/10/06 23:14 ] 香港・アジア映画 | TB(0) | CM(0)
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