10/25
 朝から梱包。急いで郵便局で発送を済ませ、TSUTAYAで取材用のDVDを借りて、そのまま電車で渋谷へ。

 香港映画祭最終日はジョン・ウーがプロデュースした「天堂口」。
 良くいえば、基本に忠実でクラシック趣味が心地よい映画。悪くいえば、新鮮味のない無難な作品。

 無法地帯だった上海が舞台で、前半のキャバレーのステージやパーティーのシーンはとても美しく、今はすごく華やかで楽しくて天国みたいだけど、この宴の後には血みどろで地獄のような銃撃戦が始まるんだろうなあと勝手にわくわくしつつ見る(笑)。

 しかしながら、期待しまくった銃撃戦はそれほど激しくもなく、殺し屋役のチャン・チェンが相当かっこよくて惚れ惚れしたけど、いまいちアクションは腰が入っていない(ように見える)。

 ヒロインのスー・チーは、時代ものでも変わらずキュートで、歌姫としてステージで歌う姿はそれはもう魅力的だった。派手なファッションも似合えば、田舎に隠れたときの割烹着みたいなのも似合うし、ほんと、この人は何着てもかわいくて、雰囲気がある。決して美人じゃないと思うんだけど、いいんだなあ。

 それにしても、ラストの銃撃戦の無駄に神聖な感じとか、微妙なスローモーションを見て「狼/男たちの挽歌・最終章」もしくは「喜劇王」を思い出して、シリアスなシーンにもかかわらず、危うく吹き出しそうになった。もうね、今にもハトが飛びそうな勢い(笑)。


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 これで私の東京国際映画祭は終わり(仕事は1本は残ってるけどプライベートは終了)。まわりの話もちらほら聞くと、今年はこの香港映画祭がいちばん盛り上がったんじゃないかとかなんとか。ここ数年は韓国映画に押されていたけど、ここにきて、香港映画が盛り返してきたような、会場からはそんな空気がひしひしと感じられて、本当に楽しかった。
 でも、1日3本見るのは体力的にかなりキツいと気づいたので(というか、何年か前にもそれでバテて反省したのを忘れていたのだが)来年からはもっと余裕を持ってスケジュール組もうと思った(笑)。
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[映画祭など
10/24
 朝からまっすぐ渋谷Bunkamuraへ。ジョニー・トー&ワイ・カーファイ監督の「マッド探偵」を見る。

 人の心の中に潜む「鬼」が見えるという探偵ラウ・チンワン(以下ラウチン)が主人公。この探偵、女の子がお菓子を見ているだけなのに「万引きしようとしたな!」と注意したり、心がきれい(?)とか何とかいう理由で上司に自分の耳を切って献上したり、まあ一言でいえば、狂ってる(ナイス邦題)。

 で、容疑者の行動を調べる手段がまた狂っていて、目の前に犯行時の様子が見えるようになるまで、何度でも容疑者の行動をなぞってみる。容疑者がごはんを食べれば、同じ場所で何杯もごはんを食べてみたり、犯行現場と思しき場所で自ら穴を掘って生き埋めになってみたり。
 このラウチンの体を張って初めてわかるという「あしたのジョー」的感覚が非常にすばらしいなあと思った。そのせいか、いつもはゴリラのようなラウチンが今回はひどく男前に見える。私も狂ったか(笑)。

 しかしながら、心の「鬼」というやつがいちいち擬人化して登場するので、ハードボイルドなジョニー・トーが好きな私としては、登場人物の心の声を(狂った探偵を通してとはいえ)見せられるのはちょっと嫌だった。
 病気とか理由を付けたりしないで、もっともっと笑えるくらい暴走するマッド探偵が見たい(つまりはラウチン版リーサルウエポン、もしくはラウチン版ダーティハリー)。


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 その後、香港映画祭2本目のパトリック・タム監督「父子」。
 去年の再上映だそうだが、今回初めて見て、タイトル・宣伝スチール・解説文と実際の内容とのギャップに心底驚いて、まじで腰を抜かしそうになった。

 ろくでなしだが愛のある父親と息子の貧乏だけど心温まる感動ドラマ──と思いきや、違った。アーロン・クォック演じる父親が、賭け事で借金を作るわ、奥さんを殴るわ、働かないわ、女を作るわ、あげくの果てに幼い息子に泥棒を強要するわで、激しく最低(笑)。

 途中、あまりのろくでなしっぷりが滑稽すぎてユーモラスに描かれたりするが、そこで「あ、意外と憎めないお父さんなのかも!」と勘違いしてはいけない。ラストまで、ろくでなしのままだから(笑)。
 しかし、このなんともいえず救いのない終わり方こそが、本作の個性なのだなと思った。「ひどい話だな〜」とじわじわ後味の悪さが尾を引く映画。ちなみに、私はこの後味の悪さが嫌いではない。






 香港映画祭3本目はベニー・チャン監督の「男児本色」。
 これは文句なしの娯楽大作。これぞ香港アクション!という、走って跳んで燃えて爆発して、というド派手アクションが満載で、大変面白かった。

 特に前々から上手いとは思っていたが、ニコラス・ツェーの体当たりスタントは最高で、ニコラスが走るバスに何度もぶつかるシーン(まさに「ポリスストーリー」のジャッキー)とか、木をかすめてビルの上から落ちる場面には、場内から「おお〜」というどよめきが起こっていた。

 それから今回よかったのはショーン・ユー。端正な顔してぼそっと喋る一言が妙におかしかったり、坊主頭で強面なのにトイレで頑張っちゃったり、真面目そうな彼の個性がコミカルな方向に働いて、とてもおいしい役柄だったと思う。

 それから、ジャッキーの息子のジェイシー・チェン。泣き顔がお父さんそっくり(笑)。あと、敵役のウー・ジンの回し蹴りの速さにはびっくり。これはドニー・イェンじゃないと倒せないな・・・と思っていたら、いちばん弱そうなジェイシーが必死にしがみ付いていて笑った。


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[映画祭など
10/23
 昨夜のうちに梱包しておいた荷物を抱え、六本木へ。
 カナダ=イタリア=日本合作映画「シルク」試写。
 中世フランスの貿易商(マイケル・ピット)が、絹を作るため蚕の卵を求めて極東の地・日本へ旅する壮大な物語。

 で、その日本ていうのが幕末の山形。役所広司や國村準らにすんなり溶け込むマイケル・ピット(笑)。「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」や「ラストデイズ」の印象が強い彼だから、和服を着ても雰囲気がロックンローラー(笑)。「アリガトウ」とか日本語もカタコトなんだけど妙に自然体で微笑ましくて、試写見ながら思わず吹き出してしまった。本来は笑うシーンじゃないと思うのだが、私以外にも笑っている人がいた(笑)。



坂本龍一/SILK



 六本木ヒルズの郵便局で発送を済ませてから、バスで渋谷Bunkamura。
 東京国際映画祭で「自由ヶ丘夫人」を見る。

 1960年の映画で、ハイソな奥さまたちの優雅な生活とちょっとしたトラブルを綴るドタバタ艶笑コメディ。テンポのいい会話や奥さまたちの洋服なんかがいちいち洒落ていて、楽しめる。

 それから、新珠三千代演じる奥さまが上品で、時折少女のようでかわいらしい。浮気をしている夫(池部良)へのあてつけで若いカメラマンとデートしてみたり(でもデートだけ)。不倫のことを「よろめき」と言っているのも時代を感じさせていい。これって三島由紀夫の「美徳のよろめき」からとどこかで読んだような記憶が。

 あと、若い頃の池部良って哀川翔に似ているなあと思った。つまりは男前(笑)。奥さんより年上のバーのママと浮気してても、なんだか憎めないんだなあ。



映画俳優池部良



 夜は、そのままBunkamuraで香港映画祭のオープニング。
 ツイ・ハーク、ジョニー・トー、リンゴ・ラムと私にとって神様のような3監督がレッドカーペット&舞台挨拶をするというので、もう夢心地で待つ(笑)。
 で、リムジンでツイ・ハークを先頭に監督たちが登場するや、まわりからは「おおお〜〜!」という低い雄叫びが。その後でやってきた若手スター(ルイス・クー、ニコラス・ツェー、ショーン・ユー、ジェイシー・チェン)の時の「きゃーー!」という黄色い歓声とはえらい違い(笑)。

 その後の舞台挨拶では、3監督がそれはそれはご機嫌で、一杯ひっかけてきたんじゃないかって感じ。若手スターが挨拶している間も監督たちはステージの隅で楽しそうに何やら雑談していて、むしろそっちにマイク向けてくれ!と思った(笑)。

 そして、この3監督がリレー形式で撮ったという「鉄三角TRIANGLE」。各監督、好きなように撮ってから次の人がまた好きなように撮って話を繋げるという、新しい試みの、まさに巨匠たちの道楽映画。3監督のファンとしてはこれ以上はないというくらい贅沢な贈り物だけど、客観的に1本の映画として見ると、いかがなものかという気がしないでもない(笑)。

 まあ、ファンとしてはそんな無粋なことは言わずに楽しみたい愛すべき作品で、最大の関心は、どのシーンから次の監督に交代したのかという点。もう、それに意識を集中しすぎて、ストーリーがあまり頭に入らなかった(笑)。

 最初のパートはツイ・ハークとわかっているけど、途中でいきなり血まみれの男が路上に倒れているクローズアップがあって、ここからたぶんリンゴ・ラム。さすが、スタントマンが意識を失っても救急車を呼ばず撮影を続行したという伝説をもつ鬼監督。そのあたりから、やけに血まみれシーンが多くなる(笑)。
 そして、主人公たちが奪ったお宝を部屋に持ち帰り確認するシーンで、見事な俯瞰ショット。おそらくここからジョニー・トー。あとはトー監督の悪ノリ演出というか、小ネタギャグ満載で、会場大爆笑。

 ストーリーを確認するために(笑)もう一度見たいけど、なんだか配給つかなさそう。だって、これ見て喜ぶのって3監督のファンぐらいで、そうだとしたら客層狭すぎ。私が配給会社のバイヤーだったら買わない(笑)。個人的には大好きだけど、人にはすすめないタイプの映画。



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[映画祭など
10/20
 午前中から電車に乗り渋谷Bunkamuraへ。東京国際映画祭の20周年企画「映画が見た東京」から3本見る。


 まずは相米慎二監督「翔んだカップル」。
 これ、何年か前にTV放映を見て、坂道の映し方とか、鶴見辰吾がいい味出していることに驚いたのだが、今回初めてスクリーンで見たら、私が見たバージョンと違ったような。

 しかし、それでも自転車で坂道を降りる薬師丸ひろ子を鶴見辰吾が追ってきて、薬師丸が自転車でぶつかって転んで起きて、2人が笑顔で歩いていくまでを追う長い長いワンカット。そんなシーンがたくさんあって、映画への想いというか、ほどよい緊張感が画面から伝わってきて、感動した。

 それから今回気づいたのは、鶴見辰吾がボクシング部だから、いちいち「あしたのジョー」が出てくること。ラーメン屋に貼ってあるポスターがジョーだったり、家を出ていかない先輩のことを「あんなヤツ、あしたのためにその1で十分だ、ジャブ!ジャブ!」とか(笑)。
 あと、天然なのか演技なのかわからない鶴見辰吾の絶妙な間に、会場からはクスクス笑い声が聞こえて楽しかった。



翔んだカップル(DVD) ◆20%OFF!



 その後、市川準監督「会社物語MEMORIES OF YOU」。
 クレイジーキャッツの面々が会社でジャズバンドを結成する話で、定年間近のハナ肇がそれはもう地味で目立たない会社のお荷物的存在なんだけど、ジャズの話となるや俄然いきいきとするあたりがすばらしい。

 そこへトロンボーンを抱えた谷啓と、しがない警備員と見せかけて実は蔵のある立派な家に住み、若くて美人の奥さん(羽田美智子)を持つ植木等なんかが加わったりして、こっちまでうきうきしてくる。

 それにしても、いい具合に年を重ねたクレイジーのメンバーのかっこよさったらない。年甲斐もなく若い女にデレデレしてもちっともオヤジくさくないってのはどういうわけだろう。みんなひょうひょうとして爽やかなのだ。ハナ肇も植木等ももういないんだなあと思ったら、ラストでちょっと泣けてしまった。



クレイジーキャッツ 50周年記念 ベストアルバム 日本一の無責任大作戦



 3本目は篠田正浩監督「化石の森」。
 正直言ってこの作品自体は、登場人物がヒステリックだし、青臭くて理屈っぽいセリフもあるしで、あまり好きではない。それでもスクリーンで見たいと思ったのは、ショーケンが出てるから(笑)。

 この頃のショーケンは何と言っていいのかわからないほどかっこいい。「傷だらけの天使」の修ちゃんがそのまま白衣着て医者になったような胡散くささもいい(笑)。もう120%ショーケンを見るためだけの映画。



化石の森
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[映画祭など
へっぽこ店主の日々雑記 □□2007/07/09
 発送2件。

 夜、録画したままになっていた「MTVムービー・アワード」をやっと見る。
 文句言いつつ毎年見てるけど、今年はまた一段とバカっぽくて下品だ(笑)。ジャック・ブラックがホストをやった年ぐらいまでは、バカっぽくて下品でも、それなりに芸があったり、アホなネタでも映画への愛が感じられてよかったんだけど、なんか今はほんとにバカで下品なだけだ。まあ、私が年をとって、アメリカのティーン向けのノリに付いていけなくなっただけかもしれないけど(笑)。

 ジャック・ニコルソンとかブルース・ウィリスとか、相変わらずゲストは豪華。ジェリー・ブラッカイマーとマイケル・ベイも裏方のわりにいつも顔を出しているような気がする。そこらへんのスターよりよっぽど顔の知られたプロデューサー&監督だなあと思う。すごくモテそう(笑)。

 と、他にもいろいろスターが登場し、いちいちキャーっと会場が盛り上がるのだが、まさか本人は来ないだろう〜っと思っていたジョニー・デップが出てきたときには、ものすごい悲鳴と歓声が。やっぱりジョニデって、別格なのかなあ。


↓作品賞はこれでした
 (7/21訂正:Hさん、ご指摘感謝!!)

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャルエディション
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[映画祭など
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