へっぽこ店主の日々雑記

映画パンフレット専門のオンライン古本屋「古本道楽堂」店主のへっぽこ雑記。
カテゴリー  [ ヨーロッパ映画 ]

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「96時間」





前から見たかったのをちょうどBSで放送していたので、これ幸いと見た。

96時間ならぬ93分、無駄なくただただ突っ走る映画で面白かった。
旅行先のパリでさらわれた娘を父親が助けるために奔走する、
それだけのストーリー。
こういう潔い映画は好きです(笑)。

この娘と連れの女の子、いかにも危なっかしい。
パリに着いてすぐ声を掛けてきた青年とタクシーに乗ってしまう。
リーアム・ニーソン演じる父親が心配性という設定なんだけど、
これは私ですらハラハラするよ(笑)。

悪い人たちも今回ばかりはさらった娘が悪かった。
こんなターミネーターみたいな父親がいるとは思わないもんねえ…。
娘から「友達が捕まった!誰かが来る!」と電話で聞くやいなや、
「お前も捕まる。冷静に男たちの髪の色、特徴を教えろ」だもの。
お父さんはセキュリティのプロ。

で、すぐにカリフォルニアから飛行機でパリへ。
そこから96時間以内に娘を救い出す。
銃で何十人もの悪人たちを撃ち倒し、
道路を猛スピードで逆走してもぶつからない運転テクニック、
ドラッグを打たれた女の子にはササッと点滴まで自作してしまうオールラウンダーっぷり。
こういう人を怒らせてはいけませんね(笑)。

それにしても、これフランス映画なんだけど、
おそらく(というか絶対)海外に売る気満々で作った作品なわけで、
よくぞまあ、パリの暗部を描いた映画を撮ったなあと。
だって「パリに旅行で来たら危ないよ?」と言ってるようなものでしょ。

いろいろな意味で潔い映画だと思いました。
あと、娘を助けるだけの話で、シリーズ2作目はどう展開しているのか、それも気になる。
さらに今度3作目もあるんでしょ?気になる(笑)

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[ 2015/01/14 22:30 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「悪童日記」

20141012.jpg



発売当時に原作小説は読んでるんだけど、まあ細かいところは忘れてるよね(笑)。
でも鮮烈な印象は残ってる。

で、映画版「悪童日記」。

とにかく、ぐいぐい引き込む物語のチカラに圧倒される。
次から次へ襲い掛かる過酷な状況から目が離せない。
瞬きできない。
あっという間に喉カラカラ。

原作にはかなり忠実なんじゃないかな。
イメージを壊さず、残酷なシーンほど淡々と。
ロベール・ブレッソンの映画ほどストイックではないけれど、
ミヒャエル・ハネケぽい冷徹な画面。
と思って後からスタッフ紹介を読んだら、ハネケ映画をたくさん撮ってる撮影監督だった。
画面に個性ってこんなに出るんだなあと感心した。

主役の双子(オーディションで半年かかって選んだらしい)の魅力はもちろんだけど、
私がひときわ気になったのは、祖母役の女優さん。
魔女と呼ばれている怖くて変わり者のおばあさん。
ゴロリと転んだらひとりで起き上がれないような恰幅のよさと、
ギョロリとした恐ろしい目つきが一度見たら忘れられない。

最初は恐ろしい老婆だけど、
親に捨てられた双子との絆が少しずつ強くなっていくのがいい。
この3人の連帯意識のようなものにはすごく共感できた。

それから、双子が困難に負けないために、
2人だけで様々な鍛錬を試みる様子にも共感。
痛みに慣れるためお互いをベルトで叩いたり、
残酷なことに慣れるため鶏を殺してみたり、
飢えに慣れるため絶食したり。

それでも双子にとって一番つらいのは、
痛みでも殺しでも飢えでもない。

だからラストは本当につらかった。
身を切られるようなつらさとはこのこと。
せっかく原作は三分作あるんだから、同じ双子で続きが見たい。
このままじゃ、つらすぎる。

[ 2014/10/14 22:07 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

ジャン=ピエール・レオー舞台挨拶@フランソワ・トリュフォー映画祭

20141011.jpg
フランソワ・トリュフォー映画祭
「二十歳の恋/アントワーヌとコレット」
「夜霧の恋人たち」



角川シネマ有楽町でトリュフォー映画祭の初日。
上映前にジャン=ピエール・レオーの舞台挨拶があるというので行ってきた。

ジャン=ピエール・レオーといえばアントワーヌ・ドワネル。
アントワーヌ・ドワネルといえばジャン=ピエール・レオー。

ドワネルシリーズだけでなく、トリュフォー映画、広くは仏ヌーヴェルヴァーグ全体のシンボルともいえる俳優。

そんな彼の舞台挨拶。
わくわくしないわけがない。

客席を通って入場するレオーに会場からは割れんばかりの拍手が。
歓迎ムードのあたたかさに早くも涙腺が緩む。

「大人は判ってくれない」から「逃げ去る恋」まで5作に渡りアントワーヌを演じてきたレオーも70歳。
年はとってもマイペースな受け答えや茶目っ気のある仕草はアントワーヌそのもの。

レオーによるとドワネルシリーズではロケハンからリハーサルまでトリュフォーと2人きりでこなしたとのこと。
そこに幽霊のようにスタッフや役者たちが加わっていき、自然と1テイク目を撮る。
そして7テイク目で必ず終わると。

さらに、トリュフォーのような撮り方をする監督はひとりもいない。
様々な監督と仕事をしたけれど、あれほど居心地のいい現場はその後も見つけられなかったと言っていた。

上映前からもう胸がいっぱい。
ジャン=ピエール・レオーを日本へ呼んでくれた配給会社さんに感謝。

[ 2014/10/11 23:00 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「フリック・ストーリー」





アラン・ドロンが刑事役。
トレンチコートを着て出勤する登場シーンからすでにかっこいい。
というかこのコート、色がモスグリーン!

DSC_0039.jpg

これだけでもかっこいいのに、
部屋の隅に映るランプシェードもグリーン、
壁紙もグリーン、
それだけじゃなくこの映画、
ところどころポイントに緑色のものが置いてある。
もうね、出てくるものがいちいちかっこいいの。

DSC_0040.jpg

映像のスタイリッシュさとアラン・ドロンのダンディズムにうっとり……
していたはずだった。

そう、ジャン=ルイ・トランティニャンが出てくるまでは。

トランティニャンは脱獄した凶悪犯。
無表情で残酷なことをやってのける怖い怖い男。
なのに目が離せない。
超絶クール。

隠れ家の主である仲間の妹とたちまちいい仲になり、
別の仲間の娘にも迫られるし、
ドロンの恋人役の女まで「目がきれい」なんて言って彼に釘づけ。
もうモッテモテ。
天下の二枚目アラン・ドロンが主役ですよ?
なのに映画の中の女たちも見ているこちらもトランティニャンにめろめろ。
全部持っていかれました。

あと、彼が捕まってからのドロンとの関係がいい。
取り調べと言いつつ、自腹で高級ワインを奢って午前中は自由に時間を過ごさせるドロン。
奇妙な友情のような信頼関係。
ドロンまで彼にめろめろ。

アラン・ドロンがかっこいいのはもちろんのこと、ジャン=ルイ・トランティニャン演じる悪役が大変魅力的な映画でした。

[ 2014/09/09 23:28 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「赤の銃士/狙われた王位とルイ14世の陰謀」





銃士もののアクション活劇が見たくてたどり着いたスペイン映画。

かっこよかった~!
スペイン映画でこういうのって初めて見た。

主人公は息子と暮らしている、しがない教師。
しかし裏の顔は正義の味方(なのか?)赤の銃士。

この赤の銃士のビジュアルがかっこいい。
日本刀みたいなのを背中に差して、
黒いマスクは忍者かアラブの盗賊のよう。

1281005361523.jpg

アクションは昔のJACぽいというか香港アクションぽいというか。
無国籍な感じで面白かったです。
至近距離での銃撃戦も迫力あり。

あと、息子役の男の子がほんと天使みたいで、
こんなかわいい男の子がいるんだなあ~って見ていたら……
ああなんということでしょう……
なんて過酷な運命……
スペイン容赦ないわ…と震えました。

aguila-roja_galeriaBig.jpg

その他、出てくる女剣士もセクシーで、
赤の銃士とロマンスが生まれそうになりつつも、
銃士がジェントルマンで、まあそのあたりもよかった(笑)。

元々はTVシリーズらしいので、
オリジナルもぜひ見てみたいなあ。

pelicula portada aguila roja

[ 2014/08/18 21:36 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「リトル・ランボーズ」





録画してそのままにしていたのをやっと見た。
で、映画が始まってすぐにもっと早く見ればよかったと思った。
それくらい冒頭から引き込まれた。

映画「ランボー」公開当時のイギリスが舞台。

主人公の少年の家がちょっと特殊。
アメリカでいえばアーミッシュみたいな感じなのかな。
一家で厳格な宗教に入っていて、
質素で俗世の娯楽を排除した生活をしている。
TVとか音楽とか一切ダメ。
MTVが幅をきかせはじめた80年代のイギリスなのに。

で、そんな主人公が同じくはみ出し者の少年と出会う。

その出会いがいい。
2人ともそれぞれ授業中の教室から出て廊下へ。
誰もいない廊下の遠くにお互いを確認。
集団からはみ出した時に仲良くなるんだよね。
こういうの、あったなあ。
まあ映画では、相手がいきなりボールを投げてくるわけだけど。

純朴だけど厳しい家のせいで何かと押さえつけられてる主人公と、
両親が傍にいなくてやりたい放題の問題児。

こんな2人が「ランボー」に影響されて映画を撮り始める。
家から解放されたように、野を走り、木から飛び降り、ターザンのように池に落ちる主人公の生き生きとしていること。
そしてそれをカメラに収める問題児のセンスのよさ。

でも、フランスからの留学生が来てから状況は一変。
問題児がいない間に人気者の留学生が映画を仕切って、
たちまち俗でわざとらしいシーンばかり(と私には見えた)になってしまう。

それまでの瑞々しい映像はどこへ。
何か神聖なものを土足で踏みにじられた気持ち。
子どもの頃って、こういうのあったよね。
わかりすぎて胸が痛くなった。

あと、主人公が分厚い聖書いっぱいに絵を描いているんだけど、
これもわかる。
私も古い英和辞書に絵を描いていたような。
ノートじゃ面白くないんだよね。
本に描くから不思議で面白い。
まあ、主人公の場合は聖書への反発という意味があるんだろうけど。

子ども時代に大切に大切にしていたものを思い出して、
鼻の奥がつーーんっとするような、そんな映画だった。

[ 2014/01/23 21:02 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「裏切りのサーカス」





DVDレンタルで「裏切りのサーカス」。
公開当時から話題だったので、わくわくしながら見始めた。
スパイものは大好物。

な の に。

どうしよう。
何が何なのかさっぱりわからない!
ちんぷんかんぷん!(笑)

いえね、私もあまり理解力のある方じゃないので、あれですけど、ここまでちんぷんかんぷんな映画ってそうそうないですよ?

何がちんぷんかんぷんって、見ていて現在なのか過去なのかわかりにくい。
あと、ラストがどういう意味なのか、わからない!

で、一番悪いのは、それなのに映画自体は面白いということ!(笑)

わからないなりにドキドキしたり、裏切者は誰だ?とか推理してみたり、ゲイリー・オールドマンはどういうポジションなのかと惑わされてみたり、夢中になって見たのは認めます(笑)。

それから何といっても、カメラワークがすばらしい。
窓越しに外を眺める、通りから窓を見上げる、などなど、常に誰かに見られているような、監視されているような、そんな映し方があらゆるシーンに。
加えて、映し出される窓枠がいちいち美しい!

結論。窓枠フェチにはたまらない映画でした(笑)。

[ 2013/04/01 23:25 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ローマ法王の休日」





DVDレンタルで「ローマ法王の休日」。

ナンニ・モレッティ久々の新作!
前の「息子の部屋」もよかったけれど、モレッティだからシリアスよりもやっぱりコメディ!

もうね、最初っから何かカメラがいたずらっぽいというか、ぜったい何か企んでるようなそんなものを感じる(笑)。
枢機卿たちの慇懃無礼な態度を見ているだけで、なんとなく笑っちゃう。

で、新しい法王が選出されるわけだけど、新・法王さま、明らかにイヤそう…(笑)。
信者たちが待っているバルコニーには出ないで、部屋に閉じこもって、さらには街へ逃げてしまう。

街の人々と関わり合ううちに、かつては演劇学校を目指し、チェーホフの戯曲も口をついて出るほど芝居が好きな自分を思い出す法王さま。
なんていうか、すごく、いい意味で人間くさい。
ローマ法王っていうと、普通の人にとっては天の上の人だけど、この法王さまにはとても親近感を持てました。
当たり前かもだけど、法王さまだって1人の人間なんだよなあ。

あと、モレッティ本人が教会に招かれるセラピストとして登場。
出てきた瞬間から胡散臭い(笑)。
さらに枢機卿たちに説教をたれる理屈っぽさ(笑)。
出身地別にチームを組ませてバレーボール大会を催し、途中でゲームをやめるとヒステリー(笑)。
ああ、これこそモレッティ。
安心した(笑)。

ラストはかなり辛辣だけど、私はハッピーエンドととりました。
斜に構えてるけど、すごく正直な映画だと思う。

[ 2013/02/26 18:46 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「孤島の王」





DVDレンタルで「孤島の王」。

孤島の少年矯正施設で起こった暴動という実話を映画化ということで、「大脱走」で映画に目覚めた脱獄マニアとしては外せない1本(笑)。

結論から言いましょう。

数々の脱走・脱獄映画を見散らかしてきましたが、ここまで強烈な無力感に襲われる映画は初めてです。
映画自体はとてもいい作品なんです。
いや、でもね、つらかった。
実話とはいえ、救いがなさすぎる。

施設に6年入ってて出所間近な優等生と、入所したばかりで反骨精神ばりばりな問題児、この2人が物語の中心。
私だけかもしれないけど、ラスト直前まで主人公を間違えて見ていた。
それだけにラストはちょっとした衝撃でした。

大人から少年たちへの様々な虐待、それを見て見ぬふりをする所長。
もう、汚い大人たちのすることだけでも気が滅入るのに、空はどんより曇って晴れ間なんか覗かないし、まわりはノルウェーの冷たい海だし……でもきっとこの後に暴動が起きてすべてが変わるんだ…!!
そう思いながら少年たちと共に耐え忍ぶ2時間。


一度希望を与えられた後で味わう絶望の空しさといったら。
主人公には幸せになってほしいと心から思いました。

[ 2013/02/22 18:06 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「トスカーナの贋作」





アッバス・キアロスタミ監督「トスカーナの贋作」を見た。

何これ?
DVD見終わった後すぐにもう1回最初から見てしまった。
さらにその後でメイキングまで。

最初は講演会をした作家とその女性ファン(ジュリエット・ビノシュ)が人生とはなんぞや、芸術とはなんぞやと小洒落た会話を積み重ねながらイタリア・トスカーナを歩く、キアロスタミ版「恋人までの距離」だと思って見ていた。

が、途中で何やらビノシュから狂気のようなものが漂い始め、あ、これは「恋人までの距離」じゃなくて「ミザリー」だったか!と思い直した。

で、レストランのトイレで真っ赤な口紅を塗るビノシュの艶めかしさにゾクゾクしていたら、あれ?あれれ?いつの間にか、長年連れ添ったかのような男と女の会話になっている…。

いや、これすごいです。
何をどうしたら、こんな脚本が書けるのか。
どうやったら、こんな映画が撮れるのか。

男女の会話によって1日を描いているだけなんだけど、見終わった後はまるで激しい嵐が過ぎ去ったよう。
精神的ジェットコースタームービーといっていいかも。
といっても、別にサイコじゃないですよ。
誰もが共感できる部分がきっとある、日常の風景や会話ですから。

なのに、このざわざわ感。
ハネケじゃないよ、キアロスタミだよ?
今までたくさん映画を見てきたけど、こういう映画は初めて見ました。
キアロスタミ、すごい。

[ 2013/01/21 00:04 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「007スカイフォール」





109シネマズ湘南で「007スカイフォール」を見てきた。
私としては奮発してIMAX版!
久々の大スクリーン!
せっかくだから(?)座席もジェームズのJ列にした(バカ)。

で、スカイフォール。
これはボンドマニアを自称する私的にかなりの異色作だと思った。
だって、ボンドの生い立ちにまで踏み込んでいるなんて、事前に何も知らずに見ていたので「え?え?」とかなりの衝撃。
ダニエル・クレイグの中にジェームズ少年の面影が見えたようで、なんだか切ない気持ちになったり。

あと、今回は“女王陛下の”というより“Mの007”。
ここまで2人の絆が深いとは…。
さすが、007なのにどこか放っておけないクレイグボンド(笑)。

他に見どころは何といっても、シリーズのファンならププッと笑ってしまうオマージュの数々。
アストンマーチンDB5の仕掛けには笑ったなあ。

MやQ、それにマネーペニーといったおなじみの登場人物たちの事情もきっちり描いてくれて、ファンとしては「ああ、そうだったのか~」と納得できてスッキリ。

クレイグボンドのシリーズは若き日の007を描いてきたわけだけど、あくまでも時代背景は今。
この矛盾をはらんだ複雑な設定を、ラストでは見事に消化して次回作へ繋げていたのには脱帽。
いや、すごいね、シリーズへの愛だね。
ボンド万歳。

[ 2012/12/16 22:53 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「花咲ける騎士道」





この間BSで録画しておいた「花咲ける騎士道」。
ジェラール・フィリップのやつ。
だいぶ前に見てるけど、新聞の番組欄見て急に見たくなった。

ファンファン・ラ・チューリップって原題からすでにラブリー。
“昔々フランスという夢の国がありました”と始まる冒頭もラブリー。
いきなり娘とたわむれてる干し草付けたファンファンもラブリー。
ああ、なんてかわいいの、この映画。

ジェラール・フィリップ演じるファンファンは女好きでお調子者で、でもまっすぐで子どもっぽい笑顔がどこか憎めない。
おまけに剣の腕は抜群だし、度胸はあるし、ユーモアもばっちりだし、これはモテるにきまってる。

ヒロインはジーナ・ロロブリジーダ。
エキゾチックな顔つきに、グラマラスなスタイルで、かなり好きな女優さん。
ファンファンを想う一途さがすばらしい。

で、ファンファンは初め王女様に夢中でこのいつもそばにいるヒロインの良さに気づかないんだけど、自分が処刑される直前にやっと気づくと。
まあ、そのあたりも重くならず軽妙に描いてくれるのが冒険活劇のいいところ。

あと、処刑を目前にファンファンの相棒である通称“大ボラ吹き”の言うセリフが印象的。
「人生はつらい。でも死ぬのはもっとつらい」
そう、だから人間、簡単には死ねないのですよね。
つらくても生きていかなくてはならない。

他にも、ファンファンと軍曹が屋根の上で決闘するのを見た子どもが「軍曹が死ねばいいのに」とあくまでも無邪気に言ったり、ヒロインの父親が自分の出世のために娘を売ったり、ハッとするセリフや、結構えげつないシーンが随所に盛り込まれていたり。

冒険活劇だから、アクションシーンもばっちり。
剣での決闘シーンや、馬車を追いかけるシーンなど、今見ても痛快で楽しめた。

しかし、この映画の一番の魅力はなんといってもジェラール・フィリップ。
ふにゃ~っとしたお調子者の顔と、キリッとした王子の顔のギャップがいい。
かっこいいなあーー。

[ 2012/11/29 23:03 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「夏時間の庭」


「夏時間の庭」



「夏時間の庭」を見た。
オリヴィエ・アサヤス監督の映画見るのひさしぶり。

パリ郊外の古い民家に住む老婦人と、夏に集まる子供と孫たち。
著名な画家であった叔父(?)の作品や骨董品などが遺されている思い出の詰まった家だけど、現在の生活があってなかなか帰れない3兄弟。

もうこのへんの事情だけで、映画と同じく3人姉弟の私は身につまされて参った。
で、突然の老婦人の死。
兄弟それぞれの事情があって、思い出の家を売るの売らないのと揉めることに。

思い出と現実の板ばさみ。
家は愛着があって大事だけれど、実際に維持するのはお金もかかるし大変で。
幸い私の両親は健在だけど、ああ、もう、ほんと身につまされる(笑)。
兄弟の真ん中役のジュリエット・ビノシュのやることなすことがいちいち他人事じゃない(笑)。

ラスト近くでは、家を惜しんで孫たちが友達を集めて賑やかにパーティをする。
時は流れて住み方や使い道は違っても、家はそのままそこにある、そんな感じがとてもいい。

家が主役の映画だと思う。

[ 2011/10/04 21:58 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(2)

「ゴーストライター」


「ゴーストライター」



109シネマズMM横浜で「ゴーストライター」。

ポランスキーお得意の、見えない相手からじわじわ追い込まれていく感じがたまらない。
しかも主演は、ゆるゆるなユアン・マクレガー。
あれ?あれ?ってうちにみるみる事件に巻き込まれていく主人公役がぴったり(笑)。

なんかユアンって、ヒッチコック映画におけるケイリー・グラントみたいだなーっと思う。
そんなにタフじゃなくて、程よく紳士でユーモアもあって、ヒッチコックがケイリー・グラントを指してどこかで言ってたと思うけど「女性の寝室にドカドカ入り込んでも文句を言われない男」とか何とかいうタイプ。

で、そんなユアンが、もう、期待を裏切らないダメっぷり(笑)。

前任者が不審死して明らかにヤバい仕事なのに、あっさりボコられて原稿盗まれたり、データコピーしようとして防犯装置にアワアワしたり、やめとけというのに依頼人の奥さんと関係持っちゃったり、いざ出かけようとして自転車でコケちゃったり、ユアンったら隙ありすぎだわー。

自転車でコケるシーンなんて、場内から「ぷぷっ」「ははは」と笑いが起きていたもん。
ポランスキー映画なのに!(笑)

しかし、ユアンは隙だらけでも、監督に隙はありません。
「フランティック」を思い出させるような、言葉のわからない異国にポーンっと放り入れられる不安な世界観はさすが。
そして、きっと誰もが予想できたラストも手際よく見事。

巻き込まれ型サスペンスのお手本のような作品だと思った。
ポランスキー好きー。
[ 2011/09/15 18:50 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「わたしを離さないで」


「わたしを離さないで」



TOHOシネマズ川崎で「わたしを離さないで」を見た。

映画が始まってすぐ、原作小説を読んでから映画を見たことをちょっと後悔した。
スクリーンに映る風景があまりに原作のイメージ通りですばらしかったから。
何の先入観もなく物語にこれから入っていける人がうらやましいと思った。

この映画、クラシカルな雰囲気を漂わせたSFで、閉鎖的な寄宿舎の雰囲気といい、密接な幼なじみとの三角関係といい、なんというか、映画ファンの心を鷲掴みにするものを持っている。

言ってみれば、たまたま深夜にTVを点けたら放送していた映画だけど、なぜか忘れられなくて、何十年も経ってから「ほら、こういう話の映画知らない?」と人に聞いてしまうような、そんな映画。

ストーリーは何を書いてもネタバレになってしまうから書かない。
何も知らずにこの映画を見るのが一番正しい。たぶん。

ひとつだけ、主人公キャシー役のキャリー・マリガンがとてもいい。
原作のキャシーはもっと生々しい感じが私はしたけれど、映画で彼女が演じたキャシーは淡々として冷静で物語の語り部としてふさわしい役柄に見えた。
そして、それはきっと、英語で書かれたカズオ・イシグロの文体や作品世界に近いものなのかもしれないと思った。

私は英語では読めないので、なんとなく原書の世界に触れたような気がしただけだけど、より原作小説を理解できたようでうれしかった。

映画を見た後でもう一度、原作に戻ってみたくなる。
で、原作を読んだ後、また映画を見たくなる。
そんな原作と映画を自由に行き来できるとても幸せな映画だと思う。

[ 2011/04/25 23:41 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ぼくのエリ/200歳の少女」


「ぼくのエリ/200歳の少女」



シネマ・ジャック&ベティでスウェーデン映画「ぼくのエリ/200歳の少女」。

何これ。参った。
一言でいえばピュア。
でもピュアと一言でまとめた瞬間にすべてを汚してしまいそうで、何も言わずに大切に心にしまっておきたい、そんな映画。

少年の住む部屋の隣に越してきた少女エリ。
彼女が越してきてから近所で殺人事件が続き、少年はエリに聞く。
「ヴァンパイアなの?」

意外なほどあっさりと少年はエリが吸血鬼だと受け入れる。
なぜか。
少年は学校ではいじめられて孤立。
密かに猟奇事件のスクラップをしている。
そして、彼は12歳。
これだけでヴァンパイアの存在を信じる理由は十分ではないか。

また、エリは親子ほど年の離れた男性と暮らしている。
一見親子のように見える2人だが、どうも違うらしいというのが徐々にわかってくる。
邦題の「ぼくのエリ」の“ぼく”は主人公のことだと思うが、おそらくこの男性もかつては少年と同じ“ぼく”だったのはないかと思えてきて、ぞっとするようでもあり、胸をかきむしられるようでもあった。

やがて、エリは「もうここには居られない」と少年に告げる。
その別れのキスが、なんだかもう、今まで見たことないほど切なくて切なくて。
恥ずかしながら映画のキスシーンで初めて泣きました私。

いじめっ子たちに復讐するプールのシーンも美しかった。
もげた腕とかが水中をゆっくりと落ちてくるようなグロテスクなシーンなのに、うっとりするほど美しい。
決して悪趣味じゃない。
変な表現だけど、とても自然な美しさ。

ラストは見方によっては悲しいのかもしれないけど、私はとても希望に満ち溢れた幸福な終わり方だと思った。
私が12歳の頃に思い描いていた自由って、まさにこういうことだった。

[ 2011/01/26 02:09 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「狼は天使の匂い」


「狼は天使の匂い」



録画しておいた「狼は天使の匂い」を見た。
1972年ルネ・クレマン監督作品。
忘れてしまったが、随分前にどなたからかすすめてもらったもの。

うーん。よかった。
こういう映画、大好き。
子供時代へのノスタルジーと、そこはかとないユーモアが漂うノワール。

みるみる事件に巻き込まれるジャン=ルイ・トランティニャンがいい。
何か訳ありの様子だけど、ひょうひょうとして、捕らえられたギャンググループにもいつの間にかなじんでしまう、なんともいえない魅力にあふれている。

グループのリーダーはロバート・ライアン。
引退を匂わせる年配者だけど、誰よりも少年らしさを残している不思議。

この2人の間に流れる微妙な緊張感がすばらしい。
子供の頃に路地裏でギャングごっこをして遊んだことや、ビー玉を大事にしていた思い出など、幼い日々の似たような記憶を共有する連帯感と、今はまだお互いに信用できないという、絶妙なバランスで成り立つ関係。

2人だけでなく、登場人物それぞれの子供時代の記憶が死ぬ間際にフラッシュバックで挿入されているのが切ない。
ギャングなんて子供の遊びと変わらない、子供の心を失わないまま死んでいくという感じが、くさいけど、むちゃくちゃ切ない。

くさい邦題もまたよし。

[ 2010/12/26 23:23 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ベッカムに恋して」


「ベッカムに恋して」



開催中のワールドカップで、アルゼンチン×アルジェリア戦の時、マラドーナ監督がボールボーイのようにまめまめしくボールを取ってあげているのを個人的に面白がって見ていたが、第2戦の韓国戦では監督のそのボールさばきがスローモーションでリプレイされているので笑った。
私の密かな楽しみが全世界の楽しみに・・・。
みんな考えることは一緒(笑)。


サッカー絡みで(?)ちょうど昨日「ベッカムに恋して」を見直した(DVDを持っている)。
2002年ワールドカップの年製作の映画。

イギリスで暮らすインド人の女の子の物語。
女だてらにサッカーが大好きで、ベッカムのようなパスを出せるようになるのが夢。
でも、インド人社会の古い風習にとらわれた家族が反対している。
もうね、お母さんの言うことをきいておとなしく料理を習っているかと思えば、ついつい野菜でリフティングしちゃうとか、主人公が元気いっぱいでかわいい。

主人公を女子チームに誘うサッカー少女がキーラ・ナイトレイで、ほっそりしたスタイルに革ジャンとかスラリと着こなしてすごくかっこいい。
私的にこの映画がキーラ・ナイトレイのベスト。

あと、なんといっても、この映画の見どころは、チームの監督役のジョナサン・リース=マイヤーズ。
ジョナリスなのに爽やか好青年(笑)。
このジョナリスも私的にはベスト。
ジョナリスが主人公を見つめる目が尋常じゃなく恋する瞳で、見ているこっちまでくらくらする(笑)。
タイトルは、ベッカムじゃなくて「ジョナリスに恋して」にすべき。

[ 2010/06/17 22:59 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「パリより愛をこめて」

From Paris With Love
「パリより愛をこめて」



朝から郵便局へ。
発送を済ませて電車に乗り、シネプレックス平塚で「パリより愛をこめて」。

面白かった。
見る前は何この邦題?何の陰謀?って笑ってたんだけど、英語題がすでに「From Paris with Love」だったので、最初っから007をもじってるんだなあと納得。

で、まるで「パルプ・フィクション」みたいにかっこいいトラボルタが出てきて、いちいち「ゲット・ショーティ」みたいに映画ネタを含んだセリフを喋るから、もうそれだけで楽しい。

中でも、監督の映画オタクっぽさが出ていて笑ったのが、トラボルタの「香港映画ばりのカンフー」とか何とかいうセリフ。
字幕では「香港映画」ってわかりやすく訳してあったけど、私の耳には「ショウブラザーズ」って聞こえた(笑)。
これって欧米的にはどうなんですか。
ショウブラでピンとくるもんなんでしょうか。

それから個人的に笑ったのが、カーラジオから流れるバカラックの「遥かなる影」をトラボルタが「これ好きなんだ。人に言うなよ」というシーン。
この曲、カーペンターズのが有名だけど、ここで使われるのは男性ボーカルで、誰の声だろ?と後で調べたら、マット・モンローだった。
マット・モンローといえば、「007ロシアより愛をこめて」の主題歌の人。
監督、凝りすぎだろう(笑)。

あとは、そうそう、忘れちゃいけないのが、相棒役のジョナサン・リース・マイヤーズ。
ワイルドでめちゃくちゃなトラボルタと正反対のキャラクター設定で、真面目な大使館員役。
真面目なジョナリスもかっこいいけど、もっと壊れていいと思います。
でもジョナリスが本気で壊れたら、コカイン入った花瓶を抱えて歩く姿がリアルすぎて(?)シャレにならないかも。

[ 2010/05/26 21:47 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「フェルショー家の長男」


「フェルショー家の長男」



午前中から東京へ。
また有楽町朝日ホールで東京フィルメックスのジャン=ピエール・メルヴィル特集「フェルショー家の長男」を見た。

本邦初公開、今のところこれを見逃したら見られないかもという作品。
600人近く収容の会場で、微妙に色あせた傷だらけのフィルムをいい年をした大人たちが息を詰めて見守っている、そんな雰囲気が周りからひしひしと伝わってくるような。

で、「フェルショー家の長男」。
長男というのは主演のジャン=ポール・ベルモンドのことではなくて、若きベルモンドを秘書として雇う老いた銀行家のこと。

最初の方で元ボクサーのベルモンドが、ベッドに残した恋人に朝ごはんを買ってきて枕元に置いてあげるシーンに、ベルモンドったらやさしーーっと思ったのもつかの間、女の母親の形見であるネックレスを質屋に売れと言い、カフェに置き去りにしたまま、自分はさっさと秘書の仕事を見つけアメリカへ飛び立ってしまう。
鬼か(笑)。

そんなわけで、訳ありの銀行家のおっさんとベルモンドのアメリカ逃避行ロードムービーが始まる。

途中、フランク・シナトラの生家に寄ったり、ドライブインのジュークボックスでシナトラをかけたらアメリカ兵に「古臭い歌だな。プレスリーにしようぜ」とか言われて殴り合いなってしまったり、ベルモンドがシナトラファンの設定なのがうれしい。
ベルモンドとシナトラが同じイタリア系というのもあるんだろうけど、監督が古き良きアメリカを好きでたまらないという感じが出ているような気がする。

やがて2人は南部の一軒家に落ち着くのだが、ジャングルのような場所と南部の暑い気候のせいか、徐々に銀行家の思考力やパワーが落ちてきて、いつの間にか2人の主従関係が逆転していく様が面白い。
若さって残酷だ・・・。

始めは「鞄でひとつでどこへでも行ける」と元気いっぱいだった銀行家が、パリ→ニューヨーク→ニューオリンズと移動するうち、老いと疲れを意識していくのが切ない。
そして、それをうざったく感じてしまうベルモンドの若さとの対比。

大人でも若者でも、どっちの視点から見ても共感したり考えたりできる面白い映画だと思う。
今回見ることができて本当によかった。

[ 2009/11/29 18:46 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ギャング」


「ギャング」



2本目はリノ・ヴァンチュラ主演の「ギャング」。

これまた淡々した映画で、金塊強盗の仲間がなかなか集まらなくて、ヴァンチュラが参戦するまで、時折ゆるいユーモアを交えながら、のらりくらりと観客をかわしていく感じ。

あまりに淡々としていて、やがて周りから寝息が聞こえ始めて(笑)思わず私もウトウトしかけた。

が、突然バン!という音で目が覚めた。
続けて、バン!バン!バン!と銃声が続いて、みるみるうちに画面に映っている登場人物がみんな床に倒れてしまった。
ああ、これぞメルヴィル。
散々ゆるゆるときて、観客が油断した途端に怒涛の展開。
一気に鳥肌。
ラストでの刑事の粋な計らいにもしびれた。

[ 2009/11/22 23:34 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「モラン神父」


「モラン神父」



朝から久々に東京へ。
有楽町朝日ホールで東京フィルメックスのジャン=ピエール・メルヴィル特集を2本。

なんといっても、この特集名が「コードネームはメルヴィル」。
もうね、全世界のノワールファン(というか私)のハートをズキューンと撃ち抜くネーミング。

1本目は「モラン神父」。
ジャン=ポール・ベルモンドのメルヴィル作品主演第1作。
随分前にWOWOWで放送したような気がするけど、うーん、いまいち自信なし。
第二次世界大戦中ナチスドイツ占領下のパリ、若きベルモンドが神父を演じる。
それだけで見る価値あり。

しかしながら、ベルモンドが聖職者って、どうも胡散臭い(笑)。
「奇跡の鐘」のフランク・シナトラと同じくらい胡散臭い(笑)。

このベルモンド神父、ベルモンドだけに全然堅苦しくなく話しやすくて、何より女にモテる。
で、対話した女性はみんな神父のファンになってしまうような感じで、無神論者でコミュニストっぽいヒロインも気がつけば神父にメロメロに。

メルヴィル映画らしく淡々と進むけれど、実は華美な教会に対する批判や、ドイツ占領下であっても誇り高く生きる市民の強さを、静かに熱く描いている気がした。

[ 2009/11/22 21:44 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」


「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」



気分が沈みがちのときにうっかりドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」を見てしまい、さらに落ち込む(笑)。

末期がんを宣告された男2人が、怖いものなしのハチャメチャ逃避行をして、海を目指す話。
死を前にしても感傷的にならず、ドライに病状を描くところがいい。

途中で、あ、この展開はまずいなと気づいたものの、テンポがよくて面白いからつい最後まで見てしまった。
いい映画だった・・・・・・(でも凹んでるときは見ないほうがいい)。
「真夜中のカーボーイ」とか「アフリカの光」とか、絶望的な状況の2人が楽園を夢見て走るような映画はどれも大好きなんだけど、見るときの気分によっては辛いなあ。

主題歌はディランのカバー。
オリジナルよりカバーの方がよく聴こえる(いつものことですか?)。
監督はたぶん絶対この曲を使ってあのラストシーンが撮りたくて、この映画を作ったんだと思う。

[ 2009/11/18 16:55 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「暗殺者のメロディ」

 変わらないものなんか 何ひとつないけど
 変わるスピードが 違ったんだなあ
 (『スピードとナイフ』ザ・クロマニヨンズ)

ありふれた言葉でぐいっと一気に本質に迫る歌詞だなあと。
ヒロトの歌を聴くとなんとなく金子光晴みたいだなと思う。
純粋で幼稚かと思えば驚くほど辛らつで、時に暴力的。




「暗殺者のメロディ」



録画したジョセフ・ロージー監督「暗殺者のメロディ」を見た。
正直、冒頭は私には退屈で2回リタイアして、でもなぜかここでやめたらもったいない気がしたから(笑)眠くない時にやっと完走。

メキシコ亡命中のトロツキーが暗殺された事件を映画化したもので、トロツキーがジェントルでインテリで人間的にもとても魅力的な人物として描かれていた。

トロツキーを演じるのはリチャード・バートン。
世界的な思想家なのに、まったく気取りがなく、彼を信奉する若者たちを息子のようにかわいがり、大変な愛妻家。
この映画のトロツキーの魅力たるや、リチャード・バートンの演技を見ているだけで、見ているこっちがトロツキストになりそうなほどだ(笑)。

トロツキー暗殺を企てる若者役にアラン・ドロン。
同じ殺し屋でもメルヴィル映画のドロンみたいにかっこよくもクールでもない。
母親を人質にとられて、身の丈に合わない仕事を引き受けただけ。
しかし、私はこのヘタレなドロン、嫌いではない。
むしろ、クールな役よりも合っているような気さえする。

暗殺者がトロツキーを殺そうとするシーン。
室内にもかかわらずコートをなかなか脱ごうとしないドロンがバートンの背後へ回っただけでドキドキする。
トロツキーが殺されそうだからドキドキするのではない。
小心者っぽい暗殺者の緊張が伝わってきてドキドキするのだ。

ヘヴィーな内容のシリアスな映画ではあるが、冒頭でドロンと恋人役のロミー・シュナイダーが「ブルジョア!」「コミュニスト!」とお互いをからかいつつ、じゃれ合っているのには笑った。
こんなカップル嫌だ(笑)。

[ 2009/10/29 00:05 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ミス・ポター」


「ミス・ポター」



柿の種わさび味が最近のおやつ。
タマゴボーロとか麦チョコとか、小さくてポリポリ食べれるのが好きだ。


録画しておいた「ミス・ポター」を見た。
ピーター・ラビットの作者の物語。

全編93分。
2時間半くらい当たり前な近頃にしては珍しくあっさりサッパリ潔い上映時間がいい。
主人公(レニー・ゼルウィガー)である1人の有名絵本作家の半生を描こうと思えば、役者が若作りしたティーン時代から特殊メイクをした老年期までも描けただろうに、そんな小細工は一切なしで役者の歳で演じられる年代に焦点を絞っている。
はじめからそのつもりだったのか、単に予算がなかっただけなのか(笑)、いずれにしても、この描き方は正解だったと思う。

作者の想像上のピーター・ラビットが紙の上でいきいきと動き出すのがかわいらしい。
まあ、いい歳した主人公がウサギの絵に「こら!ピーター!」とか本気で話しかけている様子は痛々しく見えなくもなかったが(なんとなく他人事ではない気もする・・・)。

それから、なんといってもユアン・マクレガー。
体の弱い母親に本を読んであげたりするほどやさしくて、兄2人から舐められている末っ子で、ピーターを見て「かわいらしい」と言ってくれる編集者。
あー、ユアンかわいー、ユアンやさしー、ユアン最高と思って見ていたら、あっさり主人公の前から消えてしまった。
もう主人公といっしょにがっくりきて続き見るのやめようかと思った(笑)。

あと私、エミリー・ワトソンが好きなんだけど、本作にもユアンの姉役で出ていてよかった。
あの時代に男勝りで進歩的な考えの楽しいお姉さん。
やっぱりあの時代には珍しく経済的に自立した主人公との友情がとてもいい。
ああいう友だちっていいよね。

[ 2009/10/17 14:08 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ロルナの祈り」


「ロルナの祈り」



午後から川崎でダルデンヌ兄弟の「ロルナの祈り」を見る。

ダルデンヌ兄弟だから舞台はベルギーだよなあと思いながら見始めたけど、何やら主人公がベルギー国籍を取得するために薬物中毒の男性と偽装結婚していたり、ロシア人との取引があったり、正直、そのへんの知識がまったくないので、何が起こっているのかよくわからない(笑)。

さらに、そのよくわからない事情に加えて、映画自体が根本的に説明不足でますます話が見えない。
しかしながら、まあこれは確信的な説明不足で、そこがこの映画の良さでもあるんだけど。

つまり、「何を映すか」という映画ではなくて「何を映さないか」という映画かなと。
行間を読め!読めない人は置いていきます!という監督から観客への挑戦だなと思った(笑)。

で、私はまんまと置いていかれました・・・。たぶん。

でもね、薬物中毒の夫を演じる男優がガリガリに痩せてて、妻にすがってうっとうしことこの上ないのに、なぜか放っておけない感じで気になって気になって、何でこんなに気になるんだろうと思っていたら、物語中盤で、彼がジェレミー・レニエだとやっと気がついた(遅い)。
痩せすぎて、「ジェヴォーダンの獣」の若様と同じ人には見えない・・・。

このジェレミー・レニエがいい。
薬をやめたいんだけど、意思が弱くて自分の力ではやめられない。
で、妻の職場まで電話してウソを付いてまで彼女を家に呼び戻したり、あれしてこれしてと、とにかく彼女への依存がすごい。
なのに、なぜか憎めない。
なんか捨てられた子犬みたいで、妙な情が湧いてくるというか。
こんなダメ男に情が移るなんて私もダメだなあと思っていたら、主人公ロルナも同じだったのでホッとする(笑)。

ラストはこれまたいまいち理解できなかった。
けど、今何が起こっているのか、これから何が起こるのかが直接描かれていない分、スクリーンの中に何が隠れているのか知りたくて目が離せない。
そんな不思議な映画だった。
ただし、疲れている時に見たら、おそらく寝てしまう映画。
実際、映画終了後、場内が明るくなっても爆睡しているおばさまがいた(笑)。

[ 2009/03/04 01:03 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「スラムドッグ$ミリオネア」


「スラムドッグ$ミリオネア」



六本木に移動して「スラムドッグ$ミリオネア」試写。
2つある試写室すべて開放して、すべて満席だと聞いた。
さすがアカデミー賞最有力候補。

映画は見てびっくり。
だって、監督はダニー・ボイルだし、クイズ番組のシーンは英語なんだけど、出ているキャストのほとんどはインド系俳優だし、インドのムンバイ(ボンベイ)を舞台にした物語。
英語圏の監督が撮った映画じゃなければ、今までなら絶対にハリウッド俳優を使ってリメイクしているタイプの作品だと思った。

クイズ・ミリオネアの番組に出たスラム出身の青年が次々と問題に答えていく話なんだけど、正解するのには一問一問すべて理由がある。
その理由が彼の人生そのもの。
インド人なのにルピー紙幣に載っているのがガンジーだと知らなくて、米100ドル紙幣に描かれているのはベンジャミン・フランクリンだと知っている。
これにはちゃんと彼なりの、彼がスラムで生き延びてきた壮絶な体験に基づく理由がある。
それがとても辛くて、悲しくて、でも、生き抜くパワーに圧倒される。

ラスト、駅のホームでのシーンは、インド音楽に乗ってキャスト総出で歌って踊って、まるでインド映画のよう。
でも、これ、インド人が見たら、やっぱり白人の目から見たインドにしか見えないのかな。
外国人監督がどんなに日本を題材にした映画を忠実に撮っても、日本人から見れば、どこか変だもんなあ。

[ 2009/02/18 03:38 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「007慰めの報酬」


「007 慰めの報酬」



夕方から近所のシネコンで「007 慰めの報酬」。

ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド2作目。
前回に引き続き、今回もボンドのくせにまだまだ青臭い(笑)。
すぐに人を殺しちゃって、上司のMに叱られるし。
ほとんど人間凶器なジェームズ・ボンド。
冷酷非情である意味、原作に忠実なのかな。

007フリークとしては、毎回楽しみにしていたスパイ道具や道具係(QやR)の研究室シーンやボンドカーの装備説明がないのは寂しくて仕方ないけど、基本的に何でもありなシリーズだから、これもまた「007」。

でも、タイトルバックが前時代的なくさ~いベタベタなノリだったり、「ゴールドフィンガー」へのオマージュがさりげなくあったりして、作り手のシリーズへの愛があふれていてよかった。

あと、「007」だからどうこうじゃなくて、1本のアクション映画として相当面白い。
香港映画やタイ映画に負けないくらい、スタントが本気だもん。
それにボンドの愛憎を絡ませて、復讐劇の要素もあり、観客がMの視点で諜報員としてのボンドの成長を見守るという楽しみもある。
世界中にファンがいるシリーズだと、スタッフも手を抜けないんだなあとひたすら感心して見た(笑)。

それから、クレイグボンドって、なんていうか、ボンドのくせに、かわいくないですか?
髪の生え際とかフワフワしててヒヨコみたいだし。
もうね、空港の受付のお姉さんに「頼みたいことがあるんだけど」とか何とか言って顔を覗き込んだシーンなんて、「喜んでっ!」(居酒屋の店員風)と心の中で叫びましたから。
実際、Mが「大した魅力ね。女はみんな言いなり」とか言った時も、「ほんとにねえ・・・」と素直に頷いてしまった。

しかしながらクレイグボンド、007俳優はみんな3作目で化けるという私の中の超勝手な法則に従うならば、次作は本作を上回る傑作のはず。
ゾクゾクするほど任務に忠実で手段を選ばないジェームズ・ボンドが生まれそうな予感。
早くも期待してしまう。

[ 2009/02/17 02:33 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「アラビアのロレンス完全版」


「アラビアのロレンス完全版」



午前中のうちに梱包・発送を済ませて、午後から新宿。
テアトルタイムズスクエアで最終日の「アラビアのロレンス完全版」。

中学生の頃にTVで見てから何度見たかわからない映画だけど、スクリーンで見るのはこれが初めて。

何度見ても、ロレンスがバイクに乗る準備をしている冒頭の俯瞰ショットの美しさには惚れ惚れする。

うっとり見ている間にみるみる引き込まれて、気がつけば、ロレンスが駱駝に乗ってアラブ人から薦められた水を断るシーン。
砂漠の道中で「水を飲め」と案内役のアラブ人はロレンスにだけ言って自分は「アラブ人だから(砂漠には慣れっこ)」と飲まない。
それを見たロレンスが「じゃあ、私も飲まない」と、水筒のふたを自ら閉めるのだ。
アラブ人にできるなら自分にできないわけがないという心意気が印象的だった。

実は昔、初めてこのシーンを見た後で、私もロレンスにならって水をできるだけ飲まないようにして、あやうく倒れかけたことがある(笑)。

そして、文句を言いながらもきっちりフォローしてくれる族長アリ(オマー・シャリフ)が登場。
アリに連れられて行った先には、ファイサル王子(アレック・ギネス)が。
オマー・シャリフも、もちろんピーター・オトゥールも好きだけど、私、このアレック・ギネスが大好き。
気高くて、賢くて、柔軟で、したたかで。
ロレンスといっしょになって、ファイサル王子に仕えて砂漠に骨を埋めたくなる(なんでこんなに影響されやすいかな)。

あと、やっぱりわくわくするのは、不可能と言われた砂漠を越えてアカバ攻略を果たすシーンと、アラブの民族衣装を着たロレンスが列車の屋根の上をゆっくり歩いて大声援を受けるシーン。

その後、砂で顔を真っ黒にしてボロボロの姿でカイロのイギリス軍にアカバ攻略を報告するところも好きだ。
あー、もう、好きなシーンを書き出すときりがない。

それにしても、この映画のロレンスはマゾヒスティックだ。
映画史上1、2を争うドMだと思う(争う相手はおそらくクリント・イーストウッド)。
ストイックだし、鞭で打たれても声ひとつ上げないし、誰も聞いちゃいないのに「人を殺すのを楽しみました」なんて告白するし。

こんなにスケールの大きな映画なのに、ちゃんと主人公の嗜好まで深く描いているあたりがすごいなあと改めて感心した。


[ 2009/02/13 23:30 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)

「ファニーゲーム」


「ファニーゲーム」



年末は再放送のドラマ(「プロポーズ大作戦」)とBOOWYのDVDを見て、やっと「NANA」(コミック)を読んだ。

大晦日はシネコンで「ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト」と「ワールド・オブ・ライズ」をハシゴ。マーティン・スコセッシとリドリー・スコット豪華2本立てで締められて大満足。

で、年明け1本目に見た映画は、レンタルでミヒャエル・ハネケ監督の「ファニーゲーム」。
今公開中の「ファニーゲームUSA」のオリジナル。リメイク版を見る前にと借りてきた。

もう、これが最高。今年の1本目がこれだなんて、なんか映画運最強かも。なんで今まで見なかったんだろう。
何が最高って、ゆっくりと別荘へ向かう車の俯瞰ショットから始まって、ゆったり流れるオペラ・・・・・・が一転して、ノイジーにも程があるほとんど雑音のようなパンク(なのかあれは)でいきなり頭をガツン、ハートをズキューン(笑)。
この一瞬で、ハネケ最高、ハネケに惚れた、ハネケに付いていこうと思った。

それから、朝食の準備をする奥さんのところへ、卵をもらいに隣りの青年が来て、どこかその物言いや態度が癇にさわるというか、イライラさせられる。静かに静かに何かが崩れていく様が感じられ、大して何も起こってないのに、もうドキドキ。

後は、理不尽なことのオンパレード。理屈を言っても通じない、普通っぽいのに何を考えているのかわからない若者2人のゲームに付き合わされて、家族水いらずの休暇が地獄に変わる。
動機なんかない若者たちの暴力と冷酷さが上品に見事に描かれる。
だって、隣りの部屋から銃声と喚き声が聞こえてるってのに、若者の1人は表情ひとつ変えずにキッチンで食べ物の準備をしているんですよ?
こんな悪趣味なシーンが優雅にすら見える。

たまに若者がカメラに向かって、「こんな結末で満足できる?」と問いかけたり、意味深な表情をすることあって、こんな仕掛けに他人事として余裕ぶっこいて見ていたこちらはドキリとさせられる。

最初から最後までまったく隙なし。かといってかわいげがないわけでなく、シニカルだけど遊び心もあって、何か人を夢中にさせるものがあると思う。って、夢中になったのは私か(笑)。

ハネケ作品は今まで「ピアニスト」と「隠された記憶」しか見たことなかったけど、全部見てみよう、いや見なければと思った。

*ずーっとハケネハケネと書いてましたが、ええ、ハネケの間違いでした・・・
あー恥ずかしい・・・(1/30訂正)

[ 2009/01/06 00:28 ] ヨーロッパ映画 | TB(0) | CM(0)
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