へっぽこ店主の日々雑記

映画パンフレット専門のオンライン古本屋「古本道楽堂」店主のへっぽこ雑記。

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「地獄でなぜ悪い」

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「愛のむきだし」以来、初めて園子温を面白いと思いました(すみません)。

自主映画サークルの若者たちと、子役上がりの女優を娘に持つヤクザが出会い、
ガチな殴り込み映画を撮る……という、バイオレンスと映画愛を好き放題に盛り込んだ映画。

まず目を引いたのは、映画サークルのアクション俳優。
ブルース・リーのトラックスーツを着てるだけでポイント高いのだけど(笑)
なんといっても、その回し蹴りの速さにびっくり。
それもそのはず、よーく見れば坂口拓!!
若者のフリをしていたのでわからなかった(笑)
そりゃあ、いい蹴りしてるわけだよ!
拓さんだもん!
拓さん最高!大好きだ!!

もうこれだけで、この映画はOK。
園監督、アクションはいつも本気だものね。
後半の殴り込みシーンも気合十分。
ポンポンと頭だの腕だの何だのが宙を舞います。
容赦ないスプラッター描写。
しびれました。

他に、ドスの効いた娘役の二階堂ふみと、それにデレデレする堤真一、
ドMな星野源もよかった(笑)

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[ 2016/02/28 00:27 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「プーサン」

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市川崑監督による1953年の作品。

戦後間もない日本が舞台で、
職探しに苦労する教師を社会風刺をふんだんに交えて描く。
──というのは半分受け売りで、
正直、社会背景がいまいちピンとこないから、
その風刺もいまいちわからなかった(笑)。

でも、その鋭くて尖ったコメディセンスは伝わってきて、
あ、これすごく世の中を皮肉ってるなというのはわかる。

伊藤雄之助演じる主人公がちょっとトロいというか鈍いというか、
のんびりしてるのが新鮮。
戦争や武器とか軍事的な匂いのするものを苦手としているのも新鮮。
当時こういう感覚って新しかっただろうなと思った。

それから、何といってもこの映画、
キャストがすばらしい。
みんな個性的でいい顔していて、いちいち目を奪われる。

一度見たら忘れらない伊藤雄之助をはじめ(隣はトニー谷)
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ブスッたれてガサツでインパクト抜群な越路吹雪や
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父親役の藤原釜足や
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可憐な看護婦・八千草薫や
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いい加減な医者の木村功など。
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そして……

加東大介は怒っても全然怖くない(笑)
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あと越路吹雪の母親役の三好栄子はふてぶてしいし、
警官役の小林桂樹もひょうひょうとしてよかったし、
他にもいっぱい。

いや、すごいね。
俳優さんの顔、こんなに貼りたくなったの初めて。
全部のキャストの写真を貼りたいくらい(笑)。

登場人物ひとりひとりの個性がこれでもかと際立つ映画でした。


[ 2014/11/03 23:20 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「舟を編む」





辞書を作る──このテーマだけですでに心惹かれるし面白い。
原作小説は読んでないけどアイデアの勝利だよね。

舞台は出版社のお荷物的存在である辞書編集部。
辞書にすべてを捧げてきたような編集者(小林薫)が退職するにあたり、
後任を探すことに。

そこで白羽の矢が立ったのがうだつの上がらない営業社員(松田龍平)。
この男、昔の文豪が住んでるような古びた下宿をひとりで借りて、廊下にまで蔵書があふれでているほどの本好き、しかもいつも辞書を持ち歩いている。
これは適任。
営業をさせてる場合じゃない。
まさに辞書作りが天職だと思わせる。

基準として「右」の語釈でその辞書の個性を表すのが面白い。
他社の辞書ではこう書いてあるとか、
じゃあうちはどう書こうかとか。
たかが「右」、されど「右」。
単語を説明する難しさ、奥深さに引き込まれる。

蛇足だが、私の高校の友達にも辞書を持ち歩いている子がいた。
で、いつも3種類の辞書を引いては語釈の違いを面白がっていた。
それまで辞書なんてどれも同じと思っていた私は驚いたものだ。
(ちなみに私は辞書に線引きしたり、ページをめくる行為自体が好きな、どちらかといえば辞書フェチ、というか本フェチ笑)

で、この映画、登場人物もなかなかいい。
特に主人公(松田龍平)の先輩であるオダギリジョー。
ちょっとチャラくて社交的で、地味な辞書編集部には馴染まないような、いかにも出版社の広報という感じの男。
しかも超いい奴。チャラいけど。
こういう人がひとりいると、電話対応や交渉事が苦手な研究者肌な編集者(松田)は本当に助かると思う。
あとオダジョーの彼女役の池脇千鶴も気さくでチャーミング。

辞書がようやく出版にたどり着いたときには、わかっていたけど、じーんときた。
地道に物を作るっていいな、紙媒体って本っていいなと思える映画。
本フェチ必見(笑)。

[ 2014/10/10 23:52 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「とんかつ大将」





川島雄三監督の1952年作品。

戦後10年(かな?)の下町を舞台にした人情喜劇。
主人公の医者(佐野周二)が、
美人院長やとんかつ屋の女将、長屋の娘にいたるまで
それはもうモッテモテ。

でも本人は女に傾く気配がなくて、
それは昔の恋人にまだ未練があるから。
で、この恋人、戦争の混乱の中で親友と結婚してしまっている。

コメディ要素のある映画だけど、
主人公を見る女たちの視線がいちいち熱かったりして、
川島監督はメロドラマもうまいんだよなあと感心しながら見た。

主人公が住む貧乏長屋の人たちが面白い。
「世論て何だい?」
「お喋りすることだよ」という会話から、
夫「お喋りならお前お手のもんじゃないか」
妻「暴力だっておまえさんには負けないよ!」
夫「ハイ…」
みたいなやりとりとか吹き出してしまった。

あと、火事の場面があるんだけど、
モノクロだし、あまり派手な炎上シーンもないのに臨場感がすごい。
手術に取り組む主人公の額の汗を見ているだけで火事が迫っているのがわかってヒヤヒヤする。
いかにもセットです、という感じがしないんだよなあ。
なんでだろう。
すべてが自然体に見える。

だから1952年の映画なのに今見ても古臭くないのだと思う。
女医とか女将とか保育園の先生とか、
女性たちがみんな職業を持っていて自立しているのも古くない一因なのかな。
津島恵子(女医)が臆さず主人公に言い返すところとか、
角梨枝子(とんかつ屋の女将)が女医に啖呵を切るなど、
女たちの気の強さも見どころ(笑)。

[ 2014/09/21 22:48 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「カルメン故郷に帰る」





日本初のカラー映画だそうです。
内容はコメディ。
主人公はストリッパー。

こんな映画が日本初のカラー作品だなんて。

なんてすばらしい。
ブラボー、日本。

いや、ほんとくだらないのよ、この映画。
都会から帰省したストリッパーが、
田舎で巻き起こすドタバタ人情喜劇。

山の緑に主人公のド派手な衣装の映えること映えること。
いや、ミスマッチなんですけどね。
のどかな山村で浮きまくりなんですけどね。

それでも、田舎の人たちからバカにされようと笑われようと
あっけらかんとパワフルに笑い飛ばして我が道を行く主人公がすばらしい。
この主人公、まあ、ちょっと頭はあまりよくないかもだけど(笑)
それを補って余りある強さとポジティブさ。
これくらい開き直ってないと、
こんなくだらない映画をカラーで撮れないよなあと思った(笑)。
木下監督も高峰秀子も吹っ切れてるよね(笑)。

あと、おおこれが初めてカラーでお目見えした笠智衆か!とか、
おおこれが初めてカラーで動いた佐田啓二か!などと
いちいち感動しながら見てました(笑)。

初のカラー映画がコメディ(しかもくだらない)な日本映画の歴史に乾杯。

[ 2014/08/01 22:27 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「風立ちぬ」





「風立ちぬ」やっと見てきた。

やっぱり宮崎駿すごいなあ。
ぐいぐい引き込まれて、
瞬きするのも忘れて見入った。

主人公が少年時代に夢で逢って以来、
しばしば登場するイタリア飛行機メーカー創業者のカプローニ氏。
世界のこういう天才に励まされながら、
主人公は理想の飛行機を追い続ける。

──と言えば美しい話だけど、
私は、天才とかパラノイアの頭の中ってこんな感じなのかな~と思いながら見ていた(笑)。
この感覚、かなり好き。
実際に面識はなくても、
心の中にはいつもその道の先駆者がいる的な。
能力が伴わないと誇大妄想とか言われそうだけど、
潔い理想主義でいいよね。

あと、主人公の親友で同期の本庄の描き方もよかった。
学生時代から「日本は遅れてる」とか文句ぐちぐち言って、
いつも人にもらい煙草してるような偏屈な人。
でもきっと人並以上に努力してるし、
何より憎めない。
こういう人っているよなあ、と思いつつ見た。
うまいよね。

それから、劇中で関東大震災のシーンがあるんだけど、
地震の描写がすごくてびっくりした。
空がごうごう鳴って、
地面が波のようにうねって、
余震が何度も何度もやってくる。
監督がこのシーンの絵コンテを書いた翌日に東日本大震災があったそうで、
監督の実体験を加味してこんなリアルなシーンに仕上がったのかなあと勝手に思った。

そしてやっぱり、飛行機がいい。
ドイツの鋼鉄製で無骨なギラギラした飛行機のかっこよさ。
日本の手作り感あふれる飛行機の愛らしさ。
機関車も自動車も自転車さえも、
宮崎アニメに出てくる乗り物は本当に見ていてわくわくするものばかり。

監督の長編製作はこれで最後だそうだけど、
短編でいいから、
また血湧き肉躍る漫画映画を作ってほしいな。


[ 2013/10/23 18:47 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「おおかみこどもの雨と雪」





すごい設定の映画だよね。
ちょっとびっくりした。

でもこういう映画が(アニメとはいえ)全国のシネコンで上映されたってことは、
今の日本映画界って案外自由なのかもしれない。

狼男と人間との子ども、雨と雪。
普段は人間の姿だけど、
感情が高ぶったりすると、
耳がぴょんと出て、犬のように走り回ったりする。
その姿の無邪気でかわいらしいこと。

お姉ちゃんが小学校へ進む際、
まわりの女の子との遊び方とか他の子との違いを
恥ずかしいと気にするのが興味深い。
私は次女だからそんなの考えたことなかったけど、
姉や長女という立場の子はそういう傾向あると思う。
うまいなあ。

あと、2人が成長して子どもなりに自分の生き方が出てくるあたりも面白く見た。
女の子の雪は人間として生きることを選び、
男の子の雨は狼として生きる。
まわりとの調和を大事にする女の子と
自分の好きなことを追求する男の子。
ちょっと説教くさい気もするけど、
男女の違いの描き方がうまいなあと。

でもやっぱり、なんだか見てはいけないものを見ているようで、
映画見ている間中、ろくに瞬きもできないくらい、
目をそらせなかった。
映画終わったら喉がカラカラ。

忘れていた子どもの頃の記憶をぐりぐり刺激される映画でした。
すごく面白かったし、感動もした。
でもなー、辛かったからもう一度は見ないかな。
いや、でもまた見たくなるかも。
うーん。複雑だけどこれが正直な感想。

[ 2013/10/17 23:00 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「モンスターズクラブ」





DVDレンタルで「モンスターズクラブ」。

人には薦められないけど好きで好きでたまらなくなるような映画って2~3年に1本くらいある。
これは私にとってそんな映画でした。
今回はレンタルで見たけど、後ですぐにDVDを注文してしまった。

雪深い山奥に籠って、電気も水道もなく自給自足の生活を送るストイックな爆弾魔(瑛太)。
彼の生活が規則正しくあればあるほど、あれ?頭おかしい?と感じる不思議。

ソローの「森の生活」や映画「イントゥ・ザ・ワイルド」のような静かな狂気を感じました(「森の生活」に狂気を感じるのは少数派かもですが)。

そんな孤独な爆弾魔を悩ますのが、妄想に出てくる白塗りのモンスター。
これって監督が実際に見たものでは…と心配になる妄想ではあります…。

彼にはモンスターだけでなく、死んだ兄と弟も見えてしまいます。
特に兄の存在は大きくて、今住んでいる山小屋を作ったのも兄だし、愛読している本も兄のもの、思想も相当影響を受けているものと思われます。

で、この兄が窪塚洋介。
まあ、この人の映画の中での存在感といったら。
今まで瑛太を見ながら「この人、頭おかしいなあ」と思っていたはずなのに、窪塚洋介が出てきた途端、瑛太が常識人に見えてくる。
出てくるだけですべて持っていく、俳優・窪塚、健在。

あと、弟役のkenkenはRIZEのベースとしては知ってるけど、演技を見るのは初めて。
不気味できれいでよかったです。
ロケンローラーは独特の雰囲気があるよね。

さて、兄の亡霊に「お前は爆弾を送りつけることで社会との繋がりを持っている。そんな半端な考えでは駄目だ」とか何とか言われ、壊れていく爆弾魔。
もう、彼の痛々しさからは、世の中に絶望しているのに、社会との関係を断ち切れない、人間の魂の叫びが聞こえてくるようでした。

瑛太が佇む雪原の美しさに心うたれる72分。
この絶妙な上映時間でバサッと切る潔さこそ豊田監督。
しびれました。

[ 2013/03/13 21:49 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「椿山課長の七日間」





「椿山課長の七日間」を見た。
浅田次郎原作小説の映画化。

椿山課長(西田敏行)が突然倒れて天国へ。
そこで初七日までは元の世界へ戻ってもいいという特別措置が。
あ、タイトルの七日間は初七日のことだったんだなーっと、早くもうるっときてしまった(笑)。
どうも最近、このへんの涙腺が弱い。
年かな(笑)。

で、この世に舞い戻った椿山課長、目が覚めたら、なんと伊東美咲の姿に!
そう、本人のままでは戻れない。
メタボなおっさんが麗しき若い女性の姿で遺された家族の元を訪れる。

実はこの世に戻ったのは課長1人ではなくて、希望した3人。
1人は課長(ただし姿は伊東美咲)、もう1人は少年(ただし姿は少女)、そして残りの1人はヤクザのおっさん組長(ただし姿は成宮寛貴)。

で、偶然か必然かホテルのバーで伊東美咲をナンパする成宮寛貴…。
この2人、いちゃいちゃする姿がとても絵になるんだけど、中身はおっさん同士……映画見てひさしぶりに声出して笑ってしまった(笑)。

でもね、3人に思い残すことがなくなった時、姿は消えて召されてしまう。
そういうのが、わかっていても泣ける。
もう戻れないんだなと課長に感情移入して泣けて泣けて。
なんでだろう。わかってる展開なのになあ。

西田敏行の飾らない感じと、残された人たちの反応から椿山課長の人柄が伝わってきて、それがとてもいい。

あと意外だったのは伊東美咲。
「海猫」でシリアスな演技を見たときは失礼ながらちっともいいとは思わなかったけど(きれいだなと見とれはしたが)、今回のコミカルな演技はとてもよかった。
コメディエンヌ美咲。

[ 2012/10/31 21:48 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「白痴」





黒澤明監督「白痴」。

以前どなたかから薦められて、見よう見ようと思っていた映画。

3時間弱の長丁場を2日かけてじっくりと見ました。
そのほとんどが修羅場、修羅場、修羅場で、あー、面白かった(笑)。

森雅之演じる主人公は、心がキレイで何でも素直に言ってしまう子どもみたいな青年。
まあ、森雅之ですからね、心もキレイで顔もキレイ(笑)。

そんな彼がまるで捨てられた仔犬のように上目づかいでぷるぷる震えてるもんだから、世慣れたゴージャス美女の原節子も、潔癖すぎてツンツンしちゃうお嬢様の久我美子も、みーんな彼にメロメロ!

この役を森雅之にさせた黒澤監督が私はとてもおそろしいです(笑)。

あと、雪降りしきる札幌が舞台なんですけど、モノクロだから余計に雪の存在がずっしり重く感じられました。
窓枠にびっしり積もった雪、曲線を描いて巨大なオブジェのように家の前にそびえ立つ雪の柱…加えて、吹雪が本当に雪国の雪って感じでサラサラしてる(ように見える)。

そして、真っ白な雪の中でもまったく曇りのない森雅之の無垢な瞳…(笑)。
イノセントな森雅之は無敵だということを学びました…。

[ 2012/10/05 23:30 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「まほろ駅前多田便利軒」






「まほろ駅前多田便利軒」を見た。

劇場で見た予告編のイメージで、ちょいゆるめで小洒落たバディムービーかと勝手に思ってたんだけど、意外に人情味あふれる“イイ話”的な映画だった(笑)。

これが松田龍平主演だったら、おそらく工藤ちゃん的な探偵風になってたんだろうけど、瑛太だから、癖がなく、人のいい隣の兄ちゃん的な便利屋さん。
本作に限らず映画の中での松田龍平のオーラと存在感はハンパないと私は常々思ってるので、このほんわか物語なら瑛太が主演でちょうどいい(笑)。

それにこの映画、脇役がとても楽しい。
ヤクザな高良健吾に、姐さんな鈴木杏、おまけにチョイ役で大森南朋って、それなんて「軽蔑」って感じ。
撮影時期が被ってるのかな。
こういうの、好きだ。

そしてこの大森南朋が、「軽蔑」の怖い大人とは似ても似つかぬ、弁当屋さん!
赤ちゃんおんぶしながら、あわあわしつつ注文をさばく(笑)。
こんな弁当屋さんあったら通っちゃうよね!(笑)

あと、最近にしては珍しく(?)小道具としての煙草の使い方が印象的な映画だと思った。
瑛太と松田龍平の2人のコミュニケーションに煙草がうまく使われてて、ああ、大森(兄)監督は70年代のTVドラマとか好きなんだろうなあとニヤニヤしながら見た。
それこそ「探偵物語」とか「傷天」とか。
なにげに煙草が監督の一番のこだわりだと私は睨んでいます(笑)。

[ 2012/09/30 23:15 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「うた魂♪」





TVつけたら「うた魂♪」やってたので、そのまま最後まで。
以前「すごく面白いですよ!」とオススメいただいたものの、機会がなくて未見だった映画。

いやー、笑った。
ヤンキーたちが熱唱する「15の夜」!
しかも無駄に心に響く(笑)。

ヤンキー合唱団とか現実になさそうで漫画みたいだけど、そのへんはおそらく監督もわかって撮ってるし、観客もわかって見てるので問題なし。
で、その潔さが成功している。と思う。

あと、主演の夏帆がいい。
爽やか。涼しげ。可憐。
きっとこの女優さんはおばあちゃんになってもかわいらしいままだと思う。

彼女を恨んでる同級生女子のエピソードもよかった。
小学校の頃に音楽の歌のテストで上手く歌えなくて、みんなからバカにされるとか。
で、名付けて「ふにくら」事件!このネーミング!(歌の『フニクリ・ フニクラ』からとって)
あるよね、こういうの。
大人から見たら笑っちゃうようなことでも、子ども本人からしたら大事件。世界の終わり。目の前が真っ暗になるような体験。

それから、合唱のピアノ伴奏やってる子の言い分が「別にピアノが上手いわけじゃなくて、他に弾ける子がいないから」!!
ある、ある!と何度膝を叩いたことか(笑)。

ラスト、モンパチ「あなたに」の合唱シーン、観客のスタンディングオベーションに部員たちの目がうるんでいたけど、あれは最後に撮影されたのかなー。
感極まってる表情がみんな自然で、見ているこっちも鼻の奥がつーんとなった。
こういう奇をてらわない、素直な映画、好きです。

[ 2012/09/11 23:31 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「CUT」


「CUT」



ちょっと前に横浜シネマジャック&ベティで「CUT」を見てきた。

ひとことで言えば、頭のおかしい映画(笑)。
映画という芸術にとりつかれた映画監督が、商業主義に走ってる映画業界に見せつけるように、映画のためにひたすら殴られる映画。
ああ、クレイジー。

もうね、これは監督から観客への挑戦状だと思いました。
映画ファンの情に訴える作品。
映画好きが共感できないわけがない。
だからこそ、映画が好きな私たちは厳しくこの映画を見なくてはいけない。

そう、たとえ、西島秀俊が殴られてボロボロになったのを見て、思わず手を差し伸べたくなっても、じっと我慢しなくてはなりません!
情にほだされたら負け!
劇中の常盤貴子のようにハッと我にかえるべし。

あと、ブレッソンの「少女ムシェット」を主人公が自身の体に投影するシーンがあるんだけど、ここで主人公や監督といっしょになってナルシスティックな自分に酔ってうっとりしてもダメです!
ムシェットの気持ちと同化したら負け!

そして、ラストの100本連打。
映画のために、正しくは残りの借金を返すために、主人公は100回殴られます。
ぼんやりしていく意識の中で、1発殴られるたびに、映画1本を思い浮かべる。
映画のために殴られるのです。

この時、スクリーンには映画の英語タイトルと監督名がクレジットされるんだけど、まあ、映画ファンとしては条件反射で英文を目で追って邦題を考えちゃいますよね。
で、見ているうちに、殴られる刺激と名画の魔力が融合して、なんだかわからないけど、感動してしまうわけですよ。

あれ?私メルヴィルのためなら1発くらい殴られてもいいかも?なんて思ったら完璧に負けです。

監督に完敗。

決して見ていて面白い映画じゃない。
でも、映画に対する常軌を逸した情熱をストレートにぶつけてくる作品。
その情熱に打たれるのは理屈じゃない。
映画をお金に換えるということは、映画のために魂を売るということは、こんなにも痛いのだと感じさせてくれる1作。

[ 2012/01/29 00:13 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「スマグラー/おまえの未来を運べ」


「スマグラー/おまえの未来を運べ」



シネプレックス平塚で「スマグラー/おまえの未来を運べ」。

私はこの映画に惜しみない愛を捧げます。
というくらい、私好みの映画。
名作とか傑作とか、どこが面白いからとか関係なく、ただただ好きな映画だった。
もう「この映画が好きだ!」と海に向かって大声で叫びたいほど(笑)。

永瀬正敏演じる「運び屋ジョー」と安藤政信演じる「殺し屋・背骨」のツーショットがすばらしい。
コンビニのレジで出くわすところから、ラストの対決まで、ひたすらしびれっぱなし。

粗暴でふてぶてしく、でも仕事にかけては誰よりも頼りになる運び屋。
永瀬正敏がそれはそれは男くさく演じていて、
「前向きって、おまえどっちが前だかわかってんのか?」
なんて若造(妻夫木聡)に言うセリフにもいちいちグッとくる。

背中に背骨の刺青を入れ、獣のように俊敏な動きで冷酷に仕事をこなす殺し屋。
安藤政信の獣になりきった演技には鬼気迫るものを感じた。
子どもの頃に見た「Gメン75」に出てくる香港の人喰い虎のように強くてキレイでドキドキ(笑)。

後半、役者への道を諦めた主人公・妻夫木聡に運び屋が「本気の嘘を真実にしてみろ!」とか何とか言って、殺し屋の身代わりに仕立てるんだけど、まさに私にとっての映画ってこういうこと。
本気で嘘をついてスクリーン上で真実にする、これが映画だよなあって思う。

で、映画の中の妻夫木くんは身をもって嘘を真実に変えるべくがんばります。
身をもってというのは、まあほんとにひどい目に遭うんですこの主人公。
ひどすぎて目を覆いたくなるんだけど、高嶋政宏のあまりの熱演に目が離せないという拷問(笑)。

あと、途中で何度か「野獣死すべし」の場面が挿入されて、これがくさいんだけど、私にはどストライク。
だってまさに野獣死すべしという言葉がぴったりで、野獣への愛が感じられる映画だったから。
私この映画、大好き。

[ 2011/11/23 15:07 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「探偵はBARにいる」


「探偵はBARにいる」



少し前に109シネマズMM横浜で「探偵はBARにいる」見てきた。
スクリーン入り口で主人公の探偵がいるバーの名刺をくれた。
こういうの、うれしい(笑)。

映画は大泉洋の独壇場。
彼なしでは成り立たない完璧なはまり役だと思った。
大げさだけど、日本映画史上にまたひとり名探偵が誕生したと感じたほど。

これはたぶんモノローグの面白さが決定打で、大泉洋のセリフ回しのうまさなのか、脚本のよさなのかわからなかったけど、とにかく絶妙。

で、エンドクレジットで気をつけて見たら、脚本は古沢良太(共同脚本)。
「キサラギ」のオリジナル舞台版と映画版、両方を手掛けた人だ。
私、ちょっとだけファン(笑)。

本作は、「傷天」とか「探偵物語」とか70年代の探偵ドラマ風に洒落てる中にも、ちゃんと泥臭さも漂う昭和テイストがいい。
単なる昭和レトロを気取ってるんじゃなくて、「Gメン75」とか「特捜最前線」とか、浪花節で地に足のついた昭和をしっかり引きずってる。

ただ、泥臭いのはいいとしても、披露宴からラストにかけては、私的にはもっとドライな方が好み。
これはハードボイルドじゃないよね。

あと、松田龍平の本格的なアクションって初めて見た気がするけど、すごくスクリーン映えするのでびっくりした。
手足をぶんと振り回すのが絵になってる。
なんか若い頃の文太さんの立ち回りを思い出した。
もっと松田龍平のアクションものを見たくなった。

[ 2011/09/27 23:18 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「極道兵器」「デッドボール」


「極道兵器」



銀座シネパトスで「極道兵器」を見た。

任侠ものということで新旧・拓ボン夢の競演(嘘だけどある意味本当)。
手足が銃器になるアホらしさと、そんな自分に大喜びする坂口拓のアホさがいい。
三池崇史の「DOA」好きな人にはおすすめ。

あと村上淳の着流しはかっこよかったけど、よくやったなあんな役(ほめ言葉)。




「デッドボール」


「デッドボール」も見た。

意外にも前作「地獄甲子園」よりちゃんと野球をしている(笑)。
坂口拓は少年には見えないけどマカロニ風でかっこいいから問題なし。
今回、回想シーンはきちんと子役を使っていてホッとした(笑)。

あと、ベンチにクロマティ高校の人が紛れ込んでいたような・・・。



[ 2011/08/31 21:30 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「コクリコ坂から」


「コクリコ坂から」



先日、横浜ムービルで「コクリコ坂から」を見てきた。

高橋千鶴の原作コミックは「なかよし」でリアルタイムで読んでいたので、懐かしさでいっぱい。
ちなみに高橋千鶴は「コクリコ坂から」より「Good Morningメグ」とかの「メグ」シリーズが好きだった。

おっと、脱線。

で、ジブリ版「コクリコ坂から」。

1960年代の横浜が舞台ということで、昭和の香り漂う当時の風景がそれはもう美しくて惚れ惚れして見た。

横浜といえば坂道。
本作でも、坂道を上ったり下ったり、小高い丘の上から海を見下ろしたり、船から丘の家を見上げたり。
アニメーションではあるけれど、スクリーンのこちら側にカメラの気配を感じるようなショットが満載。
とても映画的な絵づくりだなあと思った。

あと、お釜でご飯を炊いたり、トントンとキャベツを刻んだりといった日常描写が細やかでとても楽しい。

主人公と青年の初々しい恋とか告白のシーンは、なんだかこっ恥ずかしかったけど(笑)私は好きです、この映画。

[ 2011/08/21 14:39 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「マイ・バック・ページ」


「マイ・バック・ページ」



シネプレックス平塚で「マイ・バック・ページ」を見た。

ジャーナリスト(妻夫木聡)と革命家(松山ケンイチ)、本物に憧れてなりたいのになれない、なりきれない若者2人のやるせなさ。
主人公(妻夫木)の、見ているこっちまで鼻の奥がツーンっとするような嗚咽がなんともせつない。

それにしても、相変わらず(?)松ケンは暑苦しいほどの演技バカだ(褒め言葉)。
松ケン演じる梅山という男は、とにかく口が巧くて平気な顔で嘘もつく、虚言癖のありそうな、革命家きどりの嫌~な奴。
事件を起こした後だというのに、鮨をもりもり食べる様子の厭らしいことといったら!

これはもちろん松ケンの食べっぷりもすばらしいけど、山下監督のうまさもあると思う。
「松ヶ根乱射事件」でも「天然コケッコー」でも、そしてこの「マイ・バック・ページ」でも、監督は人間の厭らしさを描かせたら天下一品だ。

一方、妻夫木聡演じる主人公・沢田は、松ケンと反対で(?)実に自然体。
表紙モデルをするほどの美少女と編集部で2人きりになってお茶をスッと出す仕草も、映画館でひょいっとパンフレットを買ってあげたりするのも、息をするようにナチュラル(言いすぎ)。

あとこの映画、川本三郎が原作だからだと思うけど、「真夜中のカーボーイ」とか「ファイブ・イージー・ピーセス」とか、映画がたくさん出てきて、映画ファンにはたまらない。
川島雄三ファンにはうれしいサプライズも(笑)。

主題歌はタイトル通りボブ・ディラン「マイ・バック・ページ」のカバーで奥田民生と真心ブラザーズ。
YO-KINGのまっすぐな歌声がいつまでも余韻を残す。

それから、沢田の部屋に飾ってあったLPジャケット!
ぼんやりとしか映らなかったけど、あれ「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」!
「マイ・バック・ページ」の入ってるやつ!
監督!芸が細かいです!

[ 2011/06/16 00:25 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「軽蔑」


「軽蔑」



シネプレックス平塚で「軽蔑」を見た。

新宿・歌舞伎町から和歌山・新宮への逃避行。
夜の街を、荷物も持たず裸足で、ただただ手を引かれて走る走る。
カメラもいっしょに走っているかのような疾走感。
そして、闇を抜け出して太陽の下をトラックで走る開放感。
メリッサ・ラヴォーのささやくような歌声が心地いい。

最後の方で鈴木杏演じるマチコが「こうなるってわかってた」と言うけれど、この逃避行の結末はきっと誰もがわかっていたと思う。
わかっていながら逃げる2人は、本当に若くて愚かでどうしようもない。
でも、だからこそ、そんな2人の姿はキラキラ眩しい。

高良健吾演じる主人公は、ろくでなしだけど、どこか坊ちゃんぽいところの抜けないドラ息子。
彼がマチコを呼ぶときの「マチちゃん」という響きがいい。

彼を見守る喫茶店のママ役で緑魔子が出ていて存在感抜群。
彼女が浴衣の襟を直してあげる仕草をするだけで、高良健吾の男っぷりがしゅっと上がったように見える。

鈴木杏は文字通りの体当たり演技。
ホットパンツからスラッと伸びた足がほんとにきれいで、監督は彼女の魅力をよくわかってるなーっと思った。

あと、大森南朋も相変わらずよかった。
たぶんこの映画の中で一番のワルで鬼畜(笑)。
汚い大人を楽しんで演じているようにも見える(笑)。
まあ私も汚い大人になってしまったので、主役2人の行く末を見ても息詰まるほどの切なさや胸の痛みをあまり感じることはなかったわけだけど。

新宮の美しい海。
土砂降りの雨。
シャッターの閉まった夜更けの商店街。
あらゆるシーンでカメラの向こうの空気や温度が伝わってくるような、そんな息づかいの感じられる映画だった。

ラストショットの路地はきっと中上健次へのオマージュ。

[ 2011/06/09 23:57 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」


「劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」



横浜・黄金町シネマ・ジャック&ベティで「劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」を見た。

親や彼氏に夢を理解されなくたって、
先生にパソコンを取り上げられたって、
年齢を理由に店を辞めるよう仄めかされたって、
そんなのどうでもいいじゃないか。
好きなことをやりたいように一直線にやればいい。

そんな一途な想いがぎゅーっと詰まった映画。

まあ日常に流されて生きている大人(私含む)にとってみれば、ある意味、踏み絵のような映画とも言える(笑)。

周りなんか気にせず、将棋にパソコンにロックに向かって走っていく登場人物たちの姿は見ているだけで、胸が痛い。
共感をおぼえつつも、はたして自分はここまで一生懸命に生きているだろうかと考えてしまう。

そんな私の心の溝を埋めてくれたのが、かまってちゃんマネージャーのツルギさん。
レコード会社から引きこもり応援ソングのタイアップを持ちかけられ、「でも、そんなの、かまってちゃんらしくないんじゃ…」と悩む、悩む(笑)。

ツルギさんが同僚に相談するシーンがいい。
「応援ソングって、どう思います?」
「応援ソングって?」
「負けないで~♪ みたいな…」
「クソじゃね?」
「……クソ、だよなあ」
みたいな、たしかこんな会話。

聴いてる人は、かまってちゃんの歌詞だけに惹かれているわけじゃない。
何よりも、ボーカル“の子”のなりふり構わず、すべてを曝け出して歌う姿に心を揺さぶられているんだと思う。

クソなことなんか全部吹き飛ばして、自分が信じることをやるだけ。
それはきっと、登場人物たちと、かまってちゃんと、監督と、みんな共通の思いなのだ。

♪だから
 僕は今すぐ、今すぐ、今すぐ叫ぶよ
 君に今すぐ、今、僕のギター鳴らしてやる♪

「ロックンロールは鳴り止まないっ」神聖かまってちゃん

[ 2011/05/12 19:19 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「冷たい熱帯魚」


「冷たい熱帯魚」



横浜・黄金町シネマ・ジャック&ベティで「冷たい熱帯魚」。

埼玉愛犬家殺人事件に着想を得た園子温監督の作品。
舞台は静岡県富士宮市の熱帯魚店。

一見、フツーにいい人っぽい熱帯魚店主だけど、四方八方から責め立てられ追い込まれて、いつの間にか殺人の共犯にさせられてしまう。
それでも同情できないのは何故だろう。
そしてこれが園子温の情け容赦なさ。

「返事は?」「ハイ!」
「声が小さい!」「ハイ!!」
こんな体育会系のノリでホイホイ作業させられてるうちに、みるみる共犯者にさせられている手際の見事さが怖い。

主人公が入り込んだ地獄から抜け出すには、更なる地獄を選ぶしかなく、そのために体を張ったところで待つのはまた地獄。
そして、気の遠くなるような絶望の果てにあるのは乾いた笑いだけだ。

ここまでしないと人は目が覚めないのか。
ここまでしても人はゆるされないのか。

“人を殺す人”と“殺さない人”の間に理性の境界線があるとすれば、自分がこっち側にいるつもりで、あっち側で起こっていることを他人事のように見ている主人公が一番罪深い。

果たして自分はどっち側の人間なのだろう、監督はどっち側からこの映画を撮っているのだろうと、映画を見ながらずっと考えていた。

[ 2011/03/31 15:08 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「海炭市叙景」


「海炭市叙景」



水曜レディースデイに横浜・黄金町のシネマ・ジャック&ベティで、映画を2本見てきた。

まずは、熊切和嘉監督の「海炭市叙景」。

リストラに遭い、明日の見通しもないままケーブルカーの片道切符を買い、初日の出を見に行く若夫婦(谷村美月と竹原ピストル)。
かつては仲がよかったのに今は心が離れてしまった家族の絆を繋ぎとめようともがくプラネタリウム従業員(小林薫)。
偉大な父親の影から逃れられないガス会社の2代目(加瀬亮)。
継母から虐待を受けている少年。
再開発のための立ち退き要求に頑として応じない老女。
出張で故郷へ来ても父親との確執から実家には戻らずホテルに泊まる青年。

こんな、どうにもこうにも辛い立場にいる人々を架空の海炭市を舞台に描く群像劇。

死ぬとか生きるとか、人生って簡単なもんじゃないんだなと思った。
人間は簡単には死なない。
何があっても毎日を生きていかなくちゃならない。
生きるって辛いなあと心にしみた。

いい映画だけど最期まで辛いままなのかなと、どんより暗くなっていた私の心をパーッと明るくしてくれたのが、チョイ役で出ていた村上淳。

カウンターで酒を飲む後ろ姿がすでに村上淳(何それ)。
しょう油を借りにきた近所の店員を見て、「しょう油って、いつの時代よ」とか何とか笑い飛ばす軽さに救われた。
で、閉店だというのに「酒を出せ」とママに絡む酔っ払いをつまみ出す男っぷり。
あー、かっこいい。

今までの私の中のムラジュンベスト3は「ナビィの恋」「とらばいゆ」「キューティーハニー」だったんだけど、「海炭市叙景」もかなりいい。
ちょっと久々にムラジュンスイッチ入りました。

[ 2011/01/23 22:10 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「十三人の刺客」


「十三人の刺客」



郵便局で発送。
近所のワーナーマイカルシネマズで三池版「十三人の刺客」。

ウキウキと入場券を買い、ロビーで待っていたら係のお姉さんのアナウンスが。
「おまたせいたしました。ただ今より『“十六人”の刺客』の入場を開始いたします」
って、3人増えてるよ!

アナウンスと共に立ち上がる、ひとり、またひとり、そして私、合わせて3人の客(実話です)。
これでちょうど、16人……か!!

で、十六……いや、「十三人の刺客」。

途中から夢中になっちゃって、ドリンク飲むの忘れてしまった。
後半のチャンバラは30分位だったかと思っていたら、後で調べたら50分だって。

この映画どんな映画?って聞かれたら、かっこいい死に様を追求した映画と私は答えたい。
以前「荒ぶる魂たち」の舞台挨拶で映画の見どころを聞かれて三池監督が「みんな死にます。死に様をかっこよく撮りました」とか何とか言っていたのを思い出した。
三池監督の撮りたいものはその時から(いや、もっと前からずっと)変わっていない。

三池映画の常として、男優がみな男前。
というか撮ってる監督の心意気が男前。

そして、稲垣吾郎が終始乱心(笑)。
あれは演じてて楽しかったに違いない。
最初の蹴鞠があそこで生きるとは……。

伊勢谷友介は「七人の侍」でいう三船敏郎ポジション。
おいしいといえばおいしいが、三船と比べられるリスクもあったと思う。
しかし、持ち前のフットワークの軽さで頑丈な野生児をいきいきと演じていた。
ちなみに、頑丈すぎて石頭の設定なのだが、後ろからバコーンっと棒で殴られてもビクともしないシーンには声を出して笑ってしまった。最高。

あと、山田孝之。
もっとアクションシーンがあってもいいと思ったけど、見終わってから、あ、彼は語り部役だったのかもしれないと気づいた。
とても見ていて感情移入しやすい役で、私も彼の目線で役所広司を見ていた気がする。

役所広司は、さすがのうまさで、現代劇やCMで見るのと同じような自然体で、いつもの役所広司なのに、ちゃんと役柄にはまっている不思議。
特に頭が切れるわけじゃない、格別に強いわけでもない。
しかし、負けない。
負けないギリギリのところで勝つ男、そんな男が実にはまっていた。
私も「その命、使い捨ていたす」とか言われたい(笑)。

あとね、岸部一徳に助演男優賞をあげてください。
出番少ないのに、出た途端に全部持っていきますから。

[ 2010/10/15 18:54 ] 日本映画 | TB(0) | CM(2)

「ハワイの若大将」


「ハワイの若大将」


録画しておいた「ハワイの若大将」を見た。
シリーズ4作目かな。

大学の試験でカンニングした青大将(田中邦衛)が停学くらって、ハワイへ留学。
青大将の父親に頼まれて、若大将(加山雄三)もハワイへ。
パンナムのバッグがレトロだ(笑)。

それにしても、加山雄三というのはブラックホールだ。
若大将シリーズを見ていると、あっけらかんとして爽やかとバカ丸出し紙一重な感じなのだが(ごめん)、「椿三十郎」や「赤ひげ」の黒澤映画や、「乱れる」「乱れ雲」の成瀬映画ではガラリと違って若手演技派というふうに見える(見えるだけ?)。
加えて、歌えばフランク・シナトラばりの声を聴かせ、ギターを弾けばベンチャーズばりにテケテケいける。
うまく言えないけど、なんか、得体が知れない・・・いや失礼、底が知れない。

で、「ハワイの若大将」。
今回も青大将@田中邦衛はモテない。
オープンカーを乗り回してハワイを自分の庭のように遊びまわっていても特定の女の子に一途でも、なぜかモテない。
で、若大将ばかりがモテる(笑)。
こうして書くと、なぜ若大将がモテて青大将がモテないかハッキリしないが、それは映画を見ればなんとなくわかる。
若大将って天然なんだよね。
あれは真似しようと思って真似できるもんじゃないと思う。
がんばれ青大将。

[ 2010/10/02 14:11 ] 日本映画 | TB(0) | CM(2)

「愛のむきだし」


「愛のむきだし」


映画パンフ屋をしていて哀しいのは、
PCで「資料」と書きたいのに「死霊」と変換されたとき。



園子温監督の「愛のむきだし」を見た。
4時間弱の大作。

私はこの映画に園子温の本気を見た。
主人公は、神父である父親に懺悔するために盗撮行為を繰り返す、まあ平たく言えば、変態。
この主人公が少女に恋をする。
しかしそれは、たまたま女装した姿で会った時で、彼女は女装した彼を好きになってしまう。
何この絶望。
で、そんな主人公に興味を持つカルト教団の女。
やがて家族も彼女も主人公以外はカルト教団に丸め込まれてしまう。

映画の冒頭に「これは実話を元にしています」うんぬんと出るけど、これって本当?怖すぎる。

どこまでがフィクションなのかはわからないけど、映画はアホだ。
で、アホらしければアホらしいシーンほど大真面目に撮られている。

盗撮マスターになるための修行が少林寺ばりに本気なのは何故だ。
盗撮技や喧嘩シーンがいちいちそこらへんのアクション映画よりも本気なのは何故だ。
車の横転シーンも、神父と愛人が海に飛び込むのも、全部ガチだ(たぶん)。
アホなシーンも本気で撮れば、それは芸術。

本気で映画が好きだという想いが全力で伝わってくる、そんな映画。
映画好きなら、見ればわかると思う。
映画愛、むきだし。


[ 2010/09/25 15:17 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「借りぐらしのアリエッティ」


「借りぐらしのアリエッティ」



前の「シュアリー・サムデイ」がいまいち消化不良気味だったので、その後すぐ「借りぐらしのアリエッティ」も見た。
ジブリの最新作。

ドールハウスとか小人から見た人間の居住空間とか、細かい部分が興味深く描かれてはいたんだけど、「千と千尋」とか「ポニョ」なんかの宮崎駿監督作品と比べると何か物足りないような。
というか、万人向けを装って実は人類滅亡を唱えているような、いつものあの狂気が足りない(笑)。

しかし、この大げさにやろうと思えばどうにでもできそうな舞台設定で、あえて刺激を求めず淡々と描ききった勇気を私は買いたい。
無難だけど、丁寧に作られた映画という印象。
まあ、それだけなんだけど(笑)。

映画的にはどうも不作な日だった。
こんな日もある。

[ 2010/07/25 23:37 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「シュアリー・サムデイ」


「シュアリー・サムデイ」



夏休みで高校生の姪が遊びに来たので、いっしょに109シネマズMM横浜で「シュアリー・サムデイ」を見た。
俳優・小栗旬の初監督作品。

最初は勢いがあって、おお、意外に(失礼)やるな!と思ったのだが。
なんか、タランティーノと村川透と神代辰巳を足して3で割ったら、なんちゃって三池崇史になっちゃったような映画だった。

2時間ちょっとだったと思うけど、長すぎるんじゃないかなあ。
余計なエピソードやフラッシュバックを入れすぎて、全体の勢いが失われてしまった感じ。

ものすごく好意的に見れば、本人が監督という前に役者さんだから、役者仲間の出演シーンをカットしきれなかったのかなあと。
まあ、監督1作目だしなあとも思ったけど、最初から「ロッカーズ」みたいなのを撮っちゃう陣内孝則みたいな人もいるわけだし。
ちなみに、上映後の舞台挨拶によると、監督本人は「影響を受けているかはわからないけど、一番好きなのは伊丹十三」とのこと。
なるほど。わかるような気もする。

あと、小出恵介はやっぱりうまいし、綾野剛もいい味出してたし、チラッと出た大竹しのぶは私の中で助演女優賞決定だし、ヤクザな遠藤憲一は「狼」のチョウ・ユンファみたいでかっこよかったし、キャストがみんなよかった。

笑ったのは、ヤクザにボコボコにされるシーンで、チネチッタ(川崎の映画館)でロケしてるんだけど、バックに竹内力の「極道(なんとか:タイトル忘れた)」とかいうポスターが何枚も貼られていたこと。
あれ何なんだろう?(笑)


[ 2010/07/25 23:36 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「告白」


「告白」



暑くて溶けそうです…。
炎天下を歩いていると、暑さで頭がボーっとして探しているものがなかなか見つからない「野良犬」の三船敏郎の気分(ピンポイントすぎる例え)。


ワーナーマイカルシネマズ茅ヶ崎で「告白」を見た。

一言でいえば、ヒステリックな映画だった。
登場人物がみんなヒステリック。
いや、教師役の松たか子以外。

クラスの生徒(中学生)に我が子を殺された教師の、それはもう淡々として冷静で、それゆえに本気さが伝わる復讐物語。
ロングコートをなびかせ毅然として歩く松たか子の姿に私はチャールズ・ブロンソンをチャック・ノリスをクリント・イーストウッドを見た。
かっこよすぎるよ、リベンジャー松。

映画は、告白する人物(語り部)がコロコロ変わっていく面白い構成で、読んでないからわからないけど、原作がこういう構成なのかな。
私個人的には(というよりリベンジャー松のファンとしては)、松さんの語りで統一した方が好み。
生徒の心理描写を一切排除したら、もっと面白かったろうなと思った。
というか、私がそういう映画が好きなだけだけど。

母親が抱く子どもへの執着や、子どもが抱く母親への愛憎や、母性的なものへの嫌悪感・不信感がひしひしと感じられる作品だけど、こういうのが「命の大切さを教える映画」という扱いをされるようになったら怖いなと漠然と思った。

[ 2010/07/21 13:22 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「不毛地帯」


「不毛地帯」



サッカー日本代表を指して「カミカゼ!」「ニンジャ!」と讃えたり、スペイン代表を「無敵艦隊」と言ったりするけど、ドイツ代表がどんなに怒涛の攻撃を見せても「ゲルマン魂」とだけ評して「SS部隊!」「ゲシュタポ!」とか決して言わないのはやっぱりいろいろ洒落にならないからだろうなと思う。


山崎豊子原作の映画「不毛地帯」を見た。
2時間半位あるので2日がかりで。

シベリア抑留11年を終えて帰国した男が主人公。
恥ずかしながら、シベリア抑留ってこういう経緯で行われたんだと初めて知った(まあ映画だってことはわかってるけど)。

で、主人公はその後、日本の商社で戦闘機の買い付けを担当することになるんだけど、彼を演じる仲代達矢の死んだ目がすごい。
セリフの喋り方もわざと棒読みっぽくて、生気がない。
アメリカ映画で精神を病んだベトナム帰還兵がよく描かれるけど、あんな感じ。

氷のように人間味のない主人公だが、かつての戦友の前では心を開く。
戦友を演じる丹波哲郎がいい。
政治家だの企業のトップだの保身に走るばかりの男たちの中で、彼だけはいきいきとまっすぐで誠実に描かれている。
逆に考えれば、憎らしいほどのふてぶてしさを感じさせる政治家・企業家役の俳優陣の演技がすばらしいとも言えるが(笑)。

戦中・戦後・現在(1960年前後?)と時代は行ったり来たりするし、舞台もシベリア・アメリカ・日本と飛ぶけれど、きっちり整理されているのか見ていて混乱はしない。
パンフを読むと、朝9時に撮影開始すれば午後3時には終わってしまったとあって、ものすごくサクサク撮影が進んでいたようだ。
監督(山本薩夫)の手際のよさが感じられるような映画だなあと思った。

[ 2010/06/28 19:02 ] 日本映画 | TB(0) | CM(0)

「紙屋悦子の青春」


「紙屋悦子の青春」



郵便局への行き帰りの信号待ちで、ふと横を見ると歩道の植え込みにツツジの花が咲いていた。
きれいだなーっと思うよりも先に、なぜか頭に浮かぶのはツツジの枝のチクチクした感触。
子どもの頃どんだけダイブしてたんだ・・・。


録画していた「紙屋悦子の青春」を見た。
人からすすめられて気になっていた映画。

あー、面白かった。
老夫婦が太平洋戦争末期の昭和20年を振り返る話。
場面は現代の病院屋上と昭和20年の妻の実家のみ。
まるで舞台劇のようなシンプルな場面設定で淡々と進む。

しかし、ワンカットが長く、俳優陣の演技からも臨場感の伝わってくる、作り手の静かな野望と気合いが感じられる作品。

特攻隊に志願した航空隊少尉(松岡俊介)が主人公(原田知世)と親友(永瀬正敏)を見合いさせる。
親友になら主人公を任せられるという少尉の決意が、登場人物たちの表情や会話から読み取れて、じわじわと切ない。
世話を焼く兄夫婦がいい。
鈍くて煮え切らないけれど家族思いな兄(小林薫)と、シャキシャキして文句を言う姿もかわいらしい兄嫁(本上まなみ)の息の合ったやりとりにはぐいぐい引き込まれた。

え?これで終わり?と思ってしまうほど、そっけなく映画は終わるが、映画では描かれない過去と現在の間にある老夫婦の過ごした時の重みが余韻となって残る。
描かない時間の方が記憶に残る不思議な映画だなあと思った。

[ 2010/05/13 14:43 ] 日本映画 | TB(0) | CM(4)
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