
イースタン・プロミス
電車で関内まで。伊勢佐木町の横浜シネマリンに「イースタン・プロミス」を見に行く。こじんまりした昔ながらの映画館。
ここ2ヶ月ほどビリヤードをしに伊勢佐木町まで通っているので、このあたりをぶらぶらすることが多くなった。お年寄りが路上のベンチに座ってのんびりしている横で、客引きっぽいお兄さんたちが道行く女の子たちに声をかけまくっていたり、寂れているのか活気があるのかわからない妙にアンバランスなところが面白い。
で、「イースタン・プロミス」。
よかった。すばらしかった。クローネンバーグがジャン=ピエール・メルヴィルになったかと思うくらい、ぞくぞくするようなノワール。
まるで、メルヴィルの「仁義」のように、黒の美しい映画で、ヴィゴ・モーテンセンの羽織っているステンカラーコートの黒、ヴァンサン・カッセルがまとう皮のトレンチコートの黒、ナオミ・ワッツの着るライダーズジャケットの黒、そしてラストでゆったりとソファに腰を下ろすヴィゴが身に着けている質の良さそうなスーツの黒。
こんな美しい黒色が、ロンドンの曇り空にとてもよく映える。
曇り空といえば、この映画、ずっと曇っている。一度も晴れ間は覗かない(間違ってたらごめん)。この息が詰まるような鬱陶しいような空気がノワールの雰囲気を盛り上げていると思う。
それから、ヴィゴとヴァンサンが黒コートを着て並んで歩く姿のかっこいいこと。この2人が石畳を歩いているだけでノワールだ。
特にビジネスライクで得体の知れない運転手を演じたヴィゴは文句なしにかっこいい。しかし、あれだけワケありの主人公を演じるにしては、きれいすぎるというか、完璧すぎるというか。
超個人的には、ちょっと前のティム・ロスあたりがやれば、ピタリとはまりそうな役柄かもと思った。あ、でも、ティムじゃ、ヴァンサンと並ぶシーンがかっこよく決まらないな。やっぱ、ヴィゴで正解か(笑)。
16,
2008




