07/16
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イースタン・プロミス


 電車で関内まで。伊勢佐木町の横浜シネマリンに「イースタン・プロミス」を見に行く。こじんまりした昔ながらの映画館。

 ここ2ヶ月ほどビリヤードをしに伊勢佐木町まで通っているので、このあたりをぶらぶらすることが多くなった。お年寄りが路上のベンチに座ってのんびりしている横で、客引きっぽいお兄さんたちが道行く女の子たちに声をかけまくっていたり、寂れているのか活気があるのかわからない妙にアンバランスなところが面白い。

 で、「イースタン・プロミス」。

 よかった。すばらしかった。クローネンバーグがジャン=ピエール・メルヴィルになったかと思うくらい、ぞくぞくするようなノワール。

 まるで、メルヴィルの「仁義」のように、黒の美しい映画で、ヴィゴ・モーテンセンの羽織っているステンカラーコートの黒、ヴァンサン・カッセルがまとう皮のトレンチコートの黒、ナオミ・ワッツの着るライダーズジャケットの黒、そしてラストでゆったりとソファに腰を下ろすヴィゴが身に着けている質の良さそうなスーツの黒。
 こんな美しい黒色が、ロンドンの曇り空にとてもよく映える。

 曇り空といえば、この映画、ずっと曇っている。一度も晴れ間は覗かない(間違ってたらごめん)。この息が詰まるような鬱陶しいような空気がノワールの雰囲気を盛り上げていると思う。

 それから、ヴィゴとヴァンサンが黒コートを着て並んで歩く姿のかっこいいこと。この2人が石畳を歩いているだけでノワールだ。
 特にビジネスライクで得体の知れない運転手を演じたヴィゴは文句なしにかっこいい。しかし、あれだけワケありの主人公を演じるにしては、きれいすぎるというか、完璧すぎるというか。
 超個人的には、ちょっと前のティム・ロスあたりがやれば、ピタリとはまりそうな役柄かもと思った。あ、でも、ティムじゃ、ヴァンサンと並ぶシーンがかっこよく決まらないな。やっぱ、ヴィゴで正解か(笑)。

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07/12

ミラクル7号



 電車で横浜109シネマズへ。
 チャウ・シンチーの「ミラクル7号」を見る。3度目。

 思ったよりお客さんが入っていてなんだかホッとする(余計なお世話)。
 で、やっぱり、同じシーンで笑ってしまう。あと、例のナナちゃんの機関銃シーンは笑っちゃってだめ。必ず「ぶっ!」と噴き出しちゃう。

 あと、今回見ていて思ったのは、冒頭のシンチーの登場シーン、まるでマカロニウエスタンじゃないの!ということ。たしか「カンフーハッスル」の登場シーンもマカロニっぽかった。やさぐれたガンマンみたいでかっこいいいい。

 それから、ラスト近くの先生とシンチーの会話がすごく好き。「イケメンになりました」「ご冗談を」「・・・」の間合いがたまらない(笑)。ていうか、これ、シャレになってないよね。シンチーがほんとにかっこいいから(は?)。


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06/19

映画「靖国」



 渋谷シネアミューズにてドキュメンタリー映画「靖国YASUKUNI」。
 一時は上映中止になりそうだったのが話題となり、逆に宣伝効果の高まった感のある本作(笑)。正直言って、上映が中止になるなんてどんな映画なのか?という好奇心だけで見に行ったが、とても面白かった。

 このドキュメンタリー、タイトル通り靖国神社に関わるあらゆる人たちが登場する。
 靖国神社に刀を納める職人さん、神社に奉られる日本兵を称える人たち、それを非難する人たちと対応する神主たち、勝手に奉られるのを迷惑だと訴える遺族、神社の姿勢をやんわり否定する僧侶、神社に参拝する総理とそれに反対する人たち、そして、それをカメラで捉える映画人。

 みんなそれぞれの言い分があって、誰も言ってることは間違っていない。みんな筋が通っている。他人事として見ているようで不謹慎かもしれないが、それがとても興味深くて面白い。じゃあ自分はどうなのか?と普段は考えない自分の思想や立ち位置を考えさせられる。

 それにしても、靖国神社というのは不思議な場所だ。私は花見で行ったことのあるぐらいだが、この映画で見る靖国神社はとても神聖に感じられて「あー、私は日本人なんだなあ」と改めて思わされた。これって洗脳されてますか?(笑)

 あと衝撃だったのは、境内で繰り広げられるイベントやデモの激しさ。あの穏やかな神社でこんなことが起こっていたのかと。そして、妙に共感してしまったのが、それを冷静に取り締まる警察官の方々。持論を力説する人をあしらう上手さというか。「俺らはこれが仕事だから悪く思わないでね」っていう覚めっぷり。
 熱い信念に基づいて行動を起こそうとする人々とその騒ぎを治めるのが仕事の人たち、双方の温度差が印象的だった。警察や救急の仕事って大変だなあと素直に感心した。

 しかしなあ、この映画のどこを見て上映中止にしようとしたのかが疑問。というか、どこが問題なのかにとても興味がある。単に騒ぎ出す人がいそうだからトラブルは未然に防ごうってだけのことなのかな。

 ちなみに私のポジションは「右だ、左だ、というけど、鳥は両方の翼がないと飛べないという思いで、日々、生きています(Wikipediaより引用)」という生還後の窪塚洋介とほぼ一緒。もし学生運動の時代に青春を送っていれば、立場的にはたぶんノンポリ。デモ隊やそれを見に集まる野次馬相手にTシャツや饅頭売ってるタイプ(こういうのもノンポリって言っていいの?)。

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05/26

アイム・ノット・ゼア オリジナル・サウンドトラック



 渋谷シネマライズで「アイム・ノット・ゼア」。6人の俳優がボブ・ディランを演じるというので、何ヶ月も前から前売り券を買って楽しみにしていた映画。

 結論から言えば、ディランファン以外には薦めない映画。でも、ヒース・レジャーの遺作だし、ケイト・ブランシェットがディラン本人よりも数段男前だし、全編を流れるディランの楽曲は文句なしにかっこいいし、あれ?意外とディランファン以外にもイケるかも・・・(どっちだ)。

 いや、それでもね、「ノー・ディレクション・ホーム」と「ドンド・ルック・バック」を見た人じゃないと、理解するのは難しい映画だと思う。だって、ちゃんとストーリーがあって、登場人物がいて、というタイプの映画ではないから。6人の俳優が演じるのはすべてディランの象徴というか心象風景であって、トッド・ヘインズ(監督)がディランの半生を詩的に散りばめたコラージュという感じ。

 で、ディランファンとして面白かったのは、各エピソードがそれぞれ楽曲の背景を説明してくれていて、あ、この歌ってこういう状況で作られたのか〜っと想像できること。ディランの歌を知るための映画だなあと。

 でも、ヒース・レジャー演じる若きディランがラブラブなところで「I WANT YOU」はわかりやすく甘すぎで笑った。あれくらいベタベタなノリだったら、キャメロン・クロウの方がうまい。「バニラ・スカイ」はトム・クルーズとペネロペ・クルスが「フリーホイーリン」ジャケットのシチュエーションを真似てるだけなのに、ちゃんとディランだもん。

 それから、淡々と記者の質問に答えるベン・ウィショー。「ブライアン・ジョーンズ/ストーンズから消えた男」ではキース・リチャーズを演じて、今回はディラン。あまり外見を変えてないのに、雰囲気でそれっぽく見せているのがうまいなあと。「パフューム」の変態殺人鬼もよかったけど(笑)。

 しかし何はなくとも、2時間半ずっとボブ・ディラン。冒頭の「メンフィス・ブルース・アゲイン」からエンドロールの「アイム・ノット・ゼア」まで(間違ってたらごめん)全部ディラン。ディランファンとしてうれしくないわけがない。
 ちなみに、映画見る前から2枚組のサントラも聴いていたけど、この「アイム・ノット・ゼア」はディラン本人よりソニックユース版の方が断然いい(と私は思う)。あ、オリジナルよりカバーがいいのはいつものことですか?(でもそんなディランが好き)

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05/08

サントラ/オリジナル・サウンドトラック「大いなる陰謀」



 6本映画を見たら1本タダというポイントが貯まったので、近所のワーナーマイカルで「大いなる陰謀」。

 ロバート・レッドフォード7年ぶりの監督作。事前に見た予告編からはなんだか説教くさそうなイメージがあって、直前まで「スシ王子」とどっちを見るかで悩んだが(極端すぎる選択肢)、こっちにしてよかった。

 いや、確かに説教くさいんだけど、レッドフォードが監督してると思って見ると、不思議と説教くささを感じない。むしろ、スクリーンから溢れ出る正義感が爽やかですらある(笑)。
 実際、レッドーフォード本人も大学教授役として出演していて、才能あるのに楽な方へ流れようとしている若者(この俳優がまたかっこいい)に延々と説教をする。それでも、レッドフォードだから嫌味がない。まったく得なスターだと思う。

 しかも、部屋に飾ってある教授の若い頃の写真がブラッド・ピットに見えたんだけど、あれってブラピですか?(ちがったらごめん)
 仮にブラピだったとして、ブラピを自分の若い頃と言い張ってもまったく嫌味がないスターはレッドフォードぐらいだろう。年をとっても本人が未だかっこいいのだから、まったく文句のつけようがない(笑)。

 で、映画は、大統領の椅子を狙う若手政治家(トム・クルーズ)と敏腕ジャーナリスト(メリル・ストリープ)の緊張感漂うインタビュー取材シーンと、レッドフォードと生徒の面談シーンと、レッドフォードの教え子で戦地に赴いた若者2人の戦闘シーン、この3つがパラレルに進行。
 そして、この3つのシーンはすべて同じ1日の出来事として語られる。

 自分たちに出来ることはないかと問題意識に燃えて戦地へ志願したマイノリティの若者たちと、将来にいくらでも可能性があるのに目の前の遊びに夢中な白人青年、そしてそんな若者たちの運命を左右する立場にある政治家は戦場とは無縁の小奇麗な部屋で理想論をぶちまける。

 もう、しつこいくらいに「これでいいのか?」とレッドフォードに真正面から問題を突きつけられる2時間。この人、照れもなければ小細工もなし。ひたすらまっすぐに疑問をぶつけてくる監督だ。
 はっきりいって、この正義感と問題意識がうっとうしい。うっとうしいのに、嫌味がない。やっぱり、レッドフォードは男前だ。

posted by しみず(道楽堂)
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