06/24

映画「ハゲタカ」



最近、頭痛がひどくてPC画面を長時間見ていられない。困った。

そんな中、映画「ハゲタカ」を見た。

TVシリーズは大好きで、すでに4回は通して見ている(見すぎ)。
さて、映画版。
面白かった。
映画を見ている間は完全に頭痛を忘れていた。
いわゆる“ハゲタカTHE MOIVE”って感じになってたら嫌だなあと心配していたが、予想を上回るドラマチックな展開でよかった。
それに、文句の付けようがない完璧なキャスティング。

まず、主人公・鷲津を演じる大森南朋が抜群にいい。
彼は「ヴァイブレータ」以来、もし私が映画監督だったら(←無意味な例え)主演に迎えたい男優ナンバーワンだ。

二番手の柴田恭兵もすごくいい。
いつもの軽い持ち味は捨てて、古き良き日本企業の精神を重んじる役柄を渋く演じていて、まるで武士のようだ。

そして、今回、日本企業を乗っ取ろうとする中国人役の玉山鉄二。
私は何度も言ってきたが、玉鉄は脇でこそ光ると思う(笑)。
工場でバスを待つ労働者たちの前にリムジンを横付けし、スッとドアを開けて、派遣工の青年に「乗って」。
で、高級ホテルに御飯を誘って断られると、今度は庶民的なファミレスで食事して親近感を抱かせる。
もうね、派遣工の森山君といっしょにまんまと丸め込まれて洗脳されるところだった(笑)。
エリートぽく見せていた彼が、バラまいたお札をみっともなく四つん這いで拾う姿もよかった。

あと、忘れちゃいけない松田龍平。
すっかり丸くなって旅館を継いでいる姿に笑った。
今回見て、ちょっと雰囲気変わったなあというか、今までこの人が持っていたピリピリした危うい感じがなくなったような気がした。
役柄のせいか。

株の買占めとか企業乗っ取りとか、利益追求や合理主義が美徳とされる世界を描いた作品だけど、だからこそ、そこに関わる人間たちの裏側はそこらへんのメロドラマよりもドロドロしていて、面白い。
ドロドロしすぎて、大げさすぎて、臭いくらいだ。
浪花節。演歌。そんな世界。
だけど、それがいい(笑)。

ラストで鷲津が農道に立ち尽くすシーンがいい。
TVシリーズを見た人には、ああ、あの鷲津がこんなに人間らしくなって・・・と感慨深い。
その人間くささたるや、「人情派ファンドマネージャー鷲津」とかいうタイトルでシリーズ化できそうな勢いだ(ないよ)。

私はTVシリーズからのファンだから、これを1本の映画としては公正にジャッジできないけど、TVドラマの映画化としてはかなり面白いと断言できる。
内容的にはTVシリーズの続編にあたるので、あらかじめTV版をチェックしておいた方がより楽しめるかも。

あ、あと、蛇足だが、鷲津の私服が微妙にロックっぽいのが気になった。
大森さん個人の趣味じゃないかと私は勝手に思っている(笑)。

posted by しみず(道楽堂)
comment:0   trackback:0
[映画館
06/17

「フロスト×ニクソン」



夜から渋谷のシネマアンジェリカで「フロスト×ニクソン」。
あちこちで絶賛されているのでずっと見たかったもののタイミングが合わず、やっと見れた。うれしい。

2時間画面に釘付け。
座席の肘掛けに腕を置きっぱなしなのを忘れていて、手がしびれて初めて気づいたほど夢中になって見ていた。

映画は、ウォーターゲート事件で窮地に追い込まれたニクソン大統領が辞任するところから始まる。
そのニュース映像を見ていたイギリス人司会者のデヴィッド・フロストはニクソンに単独インタビューをしようと思い立つ。

しかし、相手は当時世界で最も注目を浴びているVIP中のVIP。
一方、フロストはTVワイドショーのいち司会者。
ニクソンへの莫大なギャラに、インタビューを放送するTV局も見つからない。
それでも、フロストは諦めず資金集めに奔走。
調査チームを作り、インタビューの準備を着々と進める。

いや、もう、ある程度TVで名前が知られているとはいえ、この時点でフロストはすごい。
スケールが全然違いすぎるけど、私は新米ライターの頃、ただただ某映画監督にインタビューしたくて、先輩ライターにポロッと言ったら「え!?媒体もないのにインタビューできるわけないよ」と呆れられたことがある(笑)。
発表するメディアが決まってないのに、インタビューを申し込めるわけがないというわけだ。

媒体がなくても、スポンサーがいなくても、諦めない。
このフロストの熱意はどこからくるのか。
最高の視聴率をとりたい、世界が注目する要人にインタビューをして事件の真相を引き出したい、そういった名誉欲が大半を占めていたと思う。最初は。

が、調査チームの真剣さ、事件の重要さ、ニクソンという人物に直に接することで、フロストにもジャーナリストとしての自覚が芽生える。
表では涼しい顔をして気楽な男を装うフロストが、裏では汗をかいて焦り努力し、少しずつジャーナリストの顔になっていくのがいい。

そして、物語を動かす中心人物がリチャード・ニクソン。
最初は長ったらしい話をして退屈な狸オヤジというふうに見えていたニクソンがフロストの前に現れた途端、その存在感に圧倒された。
アメリカ(元)大統領に会うというのはこういうことなのだと、映画を見ているこちらが瞬時に納得してしまうような存在感。
それを感じさせるフランク・ランジェラの演技力。

フロストとニクソン、2人が顔を合わせ、ようやくインタビューの収録が始まる。
番組冒頭はニクソンの切れ目ない話っぷりに押され、フロストは口を挟もうにもなかなか喋らせてもらえない。
4回の収録の中で食うか食われるかの緊迫したやりとりが展開される。

2人の会話が面白くて目が離せないのはもちろんだが、ここではもうひとつ、TV・映像という媒体の面白さも描かれる。
ふとした瞬間にカメラがとらえたニクソンの表情。
それがどんな発言よりも雄弁にすべてを物語る。
TVの面白さ・怖さがうまく表れたシーンだった。

あと、ニクソンの側近を演じるケヴィン・ベーコンがよかった。
世間から悪役扱いされていたニクソンを全面的に信頼し、的確なアドバイスのできる、任務に忠実でありながら人間味のある補佐役。フランク・ランジェラの貫禄に負けない存在感で、改めていい俳優さんだなあと思った。

posted by しみず(道楽堂)
comment:0   trackback:0
[映画館
06/17

「チョコレート・ファイター」



悪友Aと新宿ピカデリーでタイ映画「チョコレート・ファイター」。

いやいやいや、もう、まいった。
すごいすごいすごい、本気でやるにも程がある超本気アクション。
もうね、主演の女の子ジージャーにひれ伏します私。

あんなに華奢であんなにかわいい女の子から、あんなすごいハイキックが繰り出されるなんてすごすぎる。
アクション見てる時って、私はだいたいこのくらい高さから蹴りが入るだろうな〜とかいろいろ無意識で想像しながら見てるんだけど、その私の凡庸な予想のはるか上からキックが下りてくる。
無駄がなくてシャープで、そして美しい。そんなハイキック。

しかし、ジージャーのすばらしいアクションを見るためには少々の我慢が必要。

映画は、日本のヤクザ(阿部寛がかっこいい!)とタイ女性の物語から始まる。
ヤクザは日本へ帰り、女性は身ごもる。
やがて生まれた赤ちゃんは脳に障害を抱えつつも、幼児の頃から人並外れた反射神経を持っていて・・・
と、ここまで見て、「え、これが主人公?生い立ちから描くの!?」とのけぞった。
さすが4年かけてジージャーを育て上げた製作陣。
描き方も半端ない。

ここまでですでに少女の不幸な生い立ちが見ていて辛いが、さらに追い討ちをかけるように母が病魔に侵され、その治療費でますます貧乏に。
いや、しかし。しかしだ。
この辛い辛い前半は、いつか覚醒するであろうジージャーを待つためのもの。
我々はそのためだけに辛い試練に耐えなければならない(我々って誰)。
そして、ジージャーの覚醒にはそれだけの価値がある。

ジージャーの怒りが頂点に達した時、覚醒は突然訪れる。
母から借りたお金を返さない製氷工場主を前に、ジージャーは怒りを爆発させ、襲い掛かる男たちをバッタバッタとなぎ倒し、声を上げ、プルプルと体を震わせる。
そう、まるで「ドラゴン怒りの鉄拳」のブルース・リーのように。

それにしても、この人たちのアクションは本気だ。
エンディングロールで流れるメイキングも思わず目をそむけたくなるほど、痛々しく本気だ。
それでも、このクレージーなほどの映画バカ加減には心を揺さぶられる。
人はここまで映画作りに本気になれるものなのかと感動してしまう。
理屈は無用。
スクリーンから伝わる生身の本気アクションをただただ感じる。
そんな映画。

posted by しみず(道楽堂)
comment:0   trackback:0
[映画館
06/15

「バラ色の選択」



発送5件。
その後、隣町まで足を延ばして、新刊書店と古本屋と新古書店をハシゴ。
本はネットで買うのが多いけど、近所の店でも普通に買う。
今日は文庫判の漫画を3冊。

夜、録画しておいたマイケル・J・フォックス主演の「バラ色の選択」を見る。

マイケルJが画面に映ると、どんな映画でもみるみる引き込まれて目が離せなくなる。
なんていうか、くるくる動いて表情豊かでよく喋って、目に色気がある。
で、要領がよくて頭の回転が速くて、ちょっとお人好しの役がよく似合う。

今回は、自分のホテルを持つという夢のためにチップを集めまくっているホテルマンの役。
お客さまのどんなワガママにも先回りして応えるコンシェルジェだけど、手段を選ばないあたりがやや浅ましい(笑)。

で、マイケルJの映画だからやっぱりコメディで、小ネタがいちいち面白い。
例えば、主人公の部屋の照明はパンパンッと手拍子すると消える仕掛けなんだけど、お気に入りのTVを見ていてハッハッハッと笑って思わず手を叩いた瞬間に明かりが消えて微妙に寂しい空気が流れたり(笑)。

そのTVが「モンスターズ」というモノクロのモンスターもので、いかにも「アダムス・ファミリー」を撮ったバリー・ソネンフェルド監督らしいなと思った。

あと、主人公が電話してるのに、ベテランのベルボーイがお構いなしにガーガー掃除機をかけていて、電話のコードと掃除機のコードが交差しちゃって、どうするのかなと思ったら、主人公がヒョイッと掃除機コードを飛び越えるとか、そんな細かいシーンがすごくいい。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でスケボーで飛んで障害物を乗り越えるシーンを思い出した。

だけど、映画が楽しければ楽しいほど、もうこういうマイケルJは見られないのかなと寂しくなってしまう。
スクリーンのマイケルJが見たいなあ。

posted by しみず(道楽堂)
comment:0   trackback:0
[録画
06/07

「春のめざめ」



劇団四季のミュージカル「春のめざめ」を見てきた。

何年か前にBSで放送したトニー賞受賞式で本作のブロードウェイ版のパフォーマンスを見て以来、ずっと見たかった舞台。
ちなみに、舞台でミュージカルを見るのも四季を見るのも初めて。

「誰でも一度は通ってきた道〜♪」というノリで、思春期のめざめをよい意味で青臭く描いた舞台で、若者の苛立ちを表すためかロックっぽいイキのいい曲が多くて楽しめた。

いや、楽しいんだけど、青臭いゆえにこっ恥ずかしくなるシーンが多々あって、ラブシーンなんか主役の俳優さんがお尻出して頑張ってたり、さらによせばいいのに回想でまた同じシーンがあって再度お尻出してたり。
これを毎日何度もやってるなんて、俳優って大変な仕事だなあと改めて感心した。

で、決してコメディではなくて、クラスメートが死んでしまったり、女の子が中絶したり、ヘヴィーな内容ではある。

しかしね、両親にもぶたれたことのないヒロインが、主人公青年に「私をぶってみて!お願い!」とか何とか言って、しぶしぶ小枝で彼女をバシッとやった青年がだんだんムキになって、最後には「僕は何かに目覚めた」って・・・。

何に目覚めてるんだよと。
春を通り越してるだろ、それは(笑)。
しかも、それで愛が生まれるって。
まあ、人それぞれだけれども(注:そういう舞台じゃないです)。

あと、大人役の俳優さんが2人だけで、教師役から各生徒たちの父母まですべて同じ人たちが演じていたのが「子どもから見た大人はみな同じ」という感じが出ていてよかった(違うかもしれないけど)。

ちょっと違うけど、「トムとジェリー」に出てくる人間はみんな顔が描かれていないでしょ?あんな感じ、私は好き。


posted by しみず(道楽堂)
comment:0   trackback:0
[未分類
| HOME | next